2026.02.20 ぼうさいらぼ

引っ越し後すぐにやるべき防災対策3選!新居で後悔しないための完全チェックリスト

これから防災対策を始めるなら、引っ越した直後が一番良いタイミングだって知ってましたか?

春から新生活を迎える皆様、おめでとうございます。期待と不安で胸いっぱいですよね。私はまったく余裕がなく『そうだ 京都、行こう』ばりの『そうだ 京都、引っ越そう』でバタバタと赴任してきたサトウですこんにちは。どうでもいいですね。

この記事では、新居に引っ越したら最初にやるべき防災対策を3つに絞って5分で解説します。時間がない方は最後のチェックリストだけでも確認してくださいね。

この記事でわかること
こんな人におすすめ!
  • 引っ越しが決まった、または最近引っ越したばかりの方
  • 「生活が落ち着いてから防災しよう」と思っている方
  • 前の家では防災対策をしていなかった方

なぜ引っ越し直後が防災の「最大のチャンス」なのか

引っ越し直後には、防災の観点から見て見逃せないメリットがあります。

  • 家具が少ないので床・壁の状態を確認しやすい
  • 家具の配置をゼロから設計できる
  • 物を置く場所をある程度自由に決められる

反対に、生活が落ち着くと「また今度でいいか」という先送りが始まります。内閣府の調査でも、家庭での防災対策・特に家具や家電などの固定ができていない理由として「やろうと思っているが先延ばしにしてしまっているから」という回答が全体の4割超を占めています。

参考:内閣府「防災に関する世論調査(令和4年9月調査)」

引っ越し直後の1週間で、新居の防災レベルが決まると言ってもいいでしょう。「落ち着いてから」ではいつまで経ってもできません。行動するなら今です。今でしょ!(なっつ

新居で最初にやるべき防災対策3つ

対策1: ハザードマップで新居のリスクを確認する

「前の家では特に問題なかったから、新しい家もまー大丈夫でしょ!」

これは本当に危ない考え方です。引っ越しをすると、住んでいる地域の災害リスクはまったく変わります。近くに引っ越しても、川沿いか内陸部か、低い土地か高台かによって、洪水・土砂崩れ・地震被害の程度は大きく異なります。

まず最初にやることは、国土交通省が提供する「ハザードマップポータルサイト」に新居の住所を入れることです。無料で、スマホからでも確認できます。確認すべき4つのリスクはこちらです。

確認すべき4つのハザードマップ
  • 洪水ハザードマップ
  • 土砂災害ハザードマップ
  • 地震ハザードマップ
  • 津波ハザードマップ

参考:国土交通省「ハザードマップポータルサイト」

参考(京都市の場合):京都市防災ポータルサイト

ハザードマップはたくさんの種類がある!

上で紹介した4つのリスクに対応するハザードマップのほか、「内水」「火山」「ため池」など、他の自然災害に対応するハザードマップも存在します。新居周辺の環境を考慮し、必要に応じて確認するマップを選ぶようにしましょう。

確認できたら、最寄りの避難場所(一時避難場所)や指定避難所までの避難経路を実際に歩いて確認しておきましょう。「地図上では知っている」と「実際に一度歩いたことがある」では、いざというときの対応力が段違いです。

ご家族がいる家庭にワンポイントアドバイス!
ハザードマップを確認したら、スクリーンショットを撮って家族のLINEグループに共有しておきましょう。「うちってこのエリアにあるんだ」という共通認識が、いざというときの行動を揃えます。お子様がいる家庭の場合は「ご自宅〜学校・園までのルート」を親子で一緒に歩いて確認すると良いでしょう。
チェックリスト
ハザードマップポータルサイトで新居周辺のリスクを確認した
最寄りの避難場所を地図で特定した
実際に避難経路を歩いてみた

対策2: 家具を置く「前」に、逃げ道を設計する

家具の耐震固定は重要です。でも、固定よりも先に考えることがあります。「置き場所」です。実は私、過去にこれで失敗したことがあるんですね。この記事はチェックリストに特化していますので、また別記事でまとめたいと思います。

地震が起きたとき、家の中で最も危険なことのひとつが「逃げ道をふさがれること」です。どれだけしっかり家具を固定していても、配置が悪ければ転倒した家具が出入口をふさいで逃げられなくなります。引っ越し直後の今だからこそ、以下のルールで家具配置を設計してください。

【寝室】

就寝中は無防備です。ベッドや布団の周囲には、倒れたら危険な家具を置かないことが基本です。特に背の高い家具は「頭の方に倒れる向き」には絶対に置かないようにしましょう。これから家具を買い揃える方は、なるべく胸(できれば腰)より低い家具のみを寝室に置くよう心がけましょう。

家具を配置するときのOK・NG例

【玄関・廊下】

玄関は避難の出口です。廊下は避難経路です。この動線上には大型の収納や棚を置かないことが原則です。靴箱程度の高さであれば問題ありませんが、天井近くまである棚は厳禁です。また、玄関の近くに鏡(姿見)やガラス製の花瓶などを置いている人はいませんか?地震で倒れて割れると、玄関を通って家から出るときに怪我をする可能性があります。シートタイプなど割れない鏡を買う、非常時の動線には割れやすいものを置かない等の工夫を行いましょう。

【リビング】

テレビ台・本棚・食器棚などの重心が高い家具は、必ず壁側に配置し、逃げ道(部屋の出口)に向かって倒れない向きに置くことを意識しましょう。

ワンポイントアドバイス!
「どうしてもここにこの家具を置きたい」という場合は、せめて倒れる方向だけ確認してください。出口に向かって倒れる向きなら要注意。壁と棚の間に突っ張り棒を入れるだけでも、かなり違います。
あわせて読みたい

震度5強で、あなたの部屋にある「アレ」が凶器になる|高校生・大学生も今日からできる、コスパ最強の地震対策

家具の固定(突っ張り棒・L字金具・耐震ジェル)の詳細はこちら
チェックリスト
寝る場所のまわりに背の高い家具がないか確認した
玄関・廊下の避難動線上に障害物がないか確認した
家具の「倒れる方向」を意識して配置を決めた

対策3: 備蓄場所を「最初に」確保する

引っ越し直後のもうひとつのメリット、それは「収納の全体像が把握できている」ことです。

生活が始まると、収納はあっという間に日用品で埋まります。そうなってから「防災備蓄の場所がない」と気づいても手遅れです。新居の収納計画を立てる段階で、防災備蓄専用のスペースをあらかじめ確保することが重要です。

備蓄のコツは「分散させること」。すべてを1か所にまとめると、その場所が被災したとき(浸水・倒壊・火災)にすべて失います。例えば、ご自宅が床上浸水の被害に遭ったとき、備蓄をすべて1階の低いところに置いていたらすべて水に浸かって使えなくなってしまいますよね?

おすすめの分散パターン
玄関・廊下の収納:防災リュック・水・非常食
クローゼット・押入れ:長期保存食+水・衣類・毛布
車をお持ちの方はトランクに:ミニ防災セット

さらに進めて、小さいスペースを最大限活用する「すきま収納」という考え方もありますね。家具や荷物を仮置きした後に見つけていくと良いと思います。

参考:東京備蓄ナビ「備蓄品の上手なストック方法 家全体を『防災倉庫』に」

ワンポイントアドバイス!
「備蓄スペースが確保できない」という方、クローゼットや押入れの床面がおすすめです。水などの重いものを収納の一番上に入れてしまうと、地震の際に凶器に変わるのでおすすめしません。収納ボックスも置けないような床面の「すきま」は普段はあまり使わないスペース。ここに水と食料を置くだけで、立派な備蓄になります。
あわせて読みたい

水・食料と合わせて買うべき『第3の必需品』とは?|一人暮らし向けの防災グッズ最低限リストを厳選

「何を備蓄すればいいかわからない」という方はこちら
チェックリスト
備蓄専用スペースを収納計画に組み込んだ
玄関近くに「すぐ持ち出せる備蓄」の場所を確保した
1人あたり3日分(水・食料)の目安量を計算した

これだけは覚えよう!
引っ越し後1週間でやることチェックリスト

引っ越し後の防災対策、3つの優先行動をまとめます。

ハザードマップで新居のリスクを確認し、避難場所を把握する
家具を置く前に「逃げ道」を設計する(寝室・玄関・廊下を優先)
収納計画の段階で備蓄スペースを確保する

この3つは「引っ越し直後」にしかできない、または「直後にやっておくと圧倒的に楽」なことばかりです。全部一気にやろうとしなくていいです。まず今日、ハザードマップを開いてみてください。

生活が落ち着いてから、は来ません。まさに今、荷物が少ないうちに「ちょっと防災」やっておきましょう。

「ちょっと防災」今日できる小さな一歩

まず今日は、ハザードマップポータルサイトを開いて、新居の住所を入れてみてください。5分でできます。それだけで、あなたの防災レベルはグッと上がります。

小さな一歩が、いざというときの大きな差になります。
「ちょっと防災」、今日から始めてみてください。

サトウ先生アイコン

Author

サトウ先生|博士(工学) / 防災士
「専門知識を、わかりやすく身近に。」これまで数々の自然災害を目の当たりにしてきた実体験をもとに、防災に関する大学での講義や地域での講演を行う。南国出身のため雪にはとっても不慣れで、京都での最大の災難は大雪のときに滑ったことだと思っている。摩擦係数の計算は得意だが、雪道の滑りやすさは計算外だった。だが、その失敗さえも防災の教訓に変えてしまうのが私のスタイルだ。実に面白い。
免責事項

この記事は著者の研究・教育成果をもとに作成したものです。大学の公式な見解や推奨を意味するものではありません。防災には現場の状況に応じた判断が必要です。記事に含まれる情報の活用は、読者ご自身の責任において行っていただきますようお願い申し上げます。なお、記事に含みうる誤りに関する一切の責任は筆者に帰属します。

参考・出典
一覧に戻る