コミュニケーションの楽しさを
支援する言語聴覚士へ

言語聴覚専攻

看護福祉リハビリテーション
学部

福祉リハビリテーション
学科

コミュニケーションの楽しさを支援する言語聴覚士へ

脳機能に精通した言語聴覚士へ

医療・福祉専門職養成の幅広さを生かした多職種連携教育や、学内クリニックでの実習など実践力を身につける機会が豊富です。さらに「脳」について4つの専門プログラムで専門性を磨き、コミュニケーションの楽しさを支援する言語聴覚士を目指します。

言語聴覚士とは?

「話す」「聞く」「食べる」といった日常生活の動作が、病気や事故、高齢化により不自由になることがあります。また、生まれつき障がいのある方もおられます。言語聴覚士は、こうしたコミュニケーションの問題を専門的な分野からサポート。医療機関だけでなく、福祉や教育など幅広い分野で活躍するリハビリテーションの専門職です。

学びの特色 FEATURES


#1 言語聴覚士として活躍するために欠かせない知識を磨く 本学独自の「脳」に特化した学び

言語聴覚士が向き合う患者さんには脳に損傷を負った方が多く、脳について専門的な知識を身につけておくことが不可欠です。本学科は4つのプログラムを独自に開発し、脳の専門家から直接指導を受けられる環境を整えています。

さまざまな症例に対応するための専門性を磨く4つの専門プログラム

脳科学・高次脳機能
プログラム

脳卒中の後遺症や認知症などの疾患を学内クリニックとも連携し、専門的に学びます。

学び方の例

主要科目

+

学内クリニックでの実習学会や患者会での実践的な学び

こども・ことばの発達支援プログラム

子どもの言葉の遅れ、吃音などを深く学びます。

学び方の例

主要科目

+

併設幼稚園・小学校での実習

手話とコミュニケーションプログラム

手話は言語であり、脳機能に深くかかわります。幅広い言語を通してコミュニケーションの力を深めます。

学び方の例

主要科目

+

手話検定取得に向けた科目の受講

嚥下(えんげ)・食支援
プログラム

脳の働きに注目して、食べる機能のメカニズムを学び、 障害がある人も「安全に食を楽しめること」を追求します。

学び方の例

主要科目

+

嚥下食の研究・開発

#2 臨床をリアルに学ぶ機会が豊富
学内クリニックでの演習や実習

キャンパス内にある「光華もの忘れ・フレイルクリニック」は、言語聴覚専攻の専任教員(医師)が院長を務める認知症・フレイル予防のためのクリニックです。本専攻の教員が言語聴覚士や医師として診療・検査などに携わっており、学生の演習や実習の場としても活用することで、リアルな地域医療や専門職連携を肌で経験し、学ぶことができます。

(活用例)
「評価実習」「総合実習」の授業内で学生がクリニックにて実習

取得可能な資格・免許状


  • 言語聴覚士(国家試験受験資格)
  • 手話検定
  • 保育士資格

※ 資格取得・検定合格のための支援を行っています。

言語聴覚士のニーズは
高まっています!

  1. 学生一人
    あたりの求人

    ※2025年3月卒業生対象(2025年3月時点)

  2. 国家試験
    合格者累計

    言語聴覚士はリハビリテーションの専門職の中でも極めて人材が不足しています。

    2025年3月時点

  3. 日本言語聴覚士協会
    会員男女比

    言語聴覚士は女性の割合が高く、女性の活躍が期待できます。

    2024年3月時点

(引用:各協会および厚生労働省HP)

4年間のカリキュラム curriculum


  • カリキュラムをみる
    1. 1年次

      言語聴覚士を知る、学ぶ
      言語聴覚士が支援を行う領域とその方法について、専門的な知識を習得します。
      学部・学科共通開講科目
      • 専門職の連携(基礎)
      専門基礎科目
      • 基礎ゼミI・Ⅱ
      • 言語運用と数的処理の基礎
      専門科目
      • 臨床医学総論
      • 言語発達学
      • 音声・言語・聴覚医学I(呼吸発声発語系)・II(聴覚系)・III(神経系)
      • 言語学
      • 失語症I
      • 言語発達障害学I(各論)

      実習

      1日見学実習[11月]

      言語聴覚士の仕事を初めて体感する

      臨床現場で働く言語聴覚士の仕事を実際に見学し、大学で学んだ知識を基に、患者(利用者)さんの症状を観察します。

    2. 2年次

      専門知識を基に実践力につなぐ
      専門的な知識を基にした具体的な症例の検討を通じて、確かな実践力を養います。
      学部・学科共通開講科目
      • 日常生活支援学
      • 医療福祉連携論
      • 障害者福祉
      • 仏教と医療福祉I
      専門基礎科目
      • 安全管理と応急処置
      • 栄養学
      専門科目
      • リハビリテーション概論・医学
      • 認知・学習心理学
      • 臨床歯科医学・ロ腔外科学
      • 音響学
      • 音声学
      • 言語発達障害学II(評価)
      • 摂食嚥下障害学演習
      • 失語症演習
      • 臨床医学II(耳鼻咽喉科・形成外科)

      実習

      臨床実習(見学実習)[1週間]

      知識と臨床症状を結びつける

      専門科目の講義で学んだ知識を基に、患者(利用者)さんの言語症状を捉え、訓練や指導の目的を考えることを目標に学習します。

    3. 3年次

      専門知識から実践での評価力を高める
      授業で学んだ検査の実施や症状の評価を行い、現場で活きるスキルを身につけます。
      学部・学科共通開講科目
      • 包括的ヘルスケア論
      • 生命倫理
      • ターミナルケア
      • 地域災害リハビリテーション
      専門基礎科目
      • 社会と統計
      • 社会保障制度・関係法規
      • 栄養サポート論
      • 健康カウンセリング
      専門科目
      • 臨床心理学
      • 言語聴覚障害診断学演習I(小児)・II(成人)
      • 高次脳機能障害演習
      • 言語発達障害学演習
      • 発声発語障害演習I(小児)・II(成人)
      • 言語聴覚障害学総合演習(検査・機器)
      • 聴覚障害学演習

      実習

      臨床実習(評価実習)[2〜3月(4週間)]

      専門知識から実践での評価力を高める

      訓練、指導を見学しながら、患者(利用者)さんの言葉や反応を記録する実習を実施。その後、授業で学んだ検査の実施や症状の評価を実践の場でトレーニングし、確かなスキルを身につけます。

    4. 4年次

      訓練・指導の実施と多職種との連携
      これまでの知識と経験を活かした症状の評価に基づく指導力を養い、チーム医療の最前線も学びます。
      学部・学科共通開講科目
      • 専門職の連携(応用)
      • 仏教と医療福祉II
      専門科目
      • 卒業研究
      • 専門ゼミI・Ⅱ
      • 言語聴覚障害実習III
      • 言語聴覚障害実習Ⅳ
      • 認知症特論
      • 摂食嚥下障害学特論

      実習

      臨床実習(総合実習)[6〜8月(8週間)]

      症状を評価し、支援を実行する

      評価実習で学んだ症状の評価方法を再確認し、その結果に基づいた訓練・指導プログラムを立案し、実際の訓練・指導までを実習します。
      さらに他職種との連携などチーム医療の最前線も学びます。

    ※上記は開講科目の一例です。カリキュラムの内容については一部変更になる場合があります。

    主な実習先

    京都エリア

    京都リハビリテーション病院、京都第一赤十字病院、京都桂病院、がくさい病院、宇治徳洲会病院、宇治武田病院、綾部市立病院、京都久野病院、男山病院、蘇生会総合病院、舞鶴こども療育センター 等

    滋賀エリア

    甲西リハビリ病院、近江温泉病院、大津市民病院、琵琶湖中央リハビリテーション病院 等

    大阪・兵庫エリア

    高槻病院、大阪医科薬科大学病院、はくほう会セントラル病院、府中病院、明生病院、思温病院、こども発達支援センター、長寿医療センター(愛知県) 等

授業紹介


  • 言語聴覚療法で用いる検査・機器を学ぶ

    言語聴覚障害学総合演習

    言語聴覚療法では、さまざまな検査や機器を使用して症状の評価や治療的アプローチを行います。臨床現場で実際に用いられる検査・機器について最新の知識を学び、今後の臨床実習の基盤を作ります。

  • 豊かな対話と支援の実現を目指す

    手話とコミュニケーション

    日常生活に必要な手話の語彙約500語を学び、手話検定4級の合格を目指します。声でのやりとりの場面では音量や声質にとどまらず、表情や身振りなど身体の表現との連携を学び、コミュニケーションを支える技術を学びます。

  • 飲み込む動作を支援する力を養う

    摂食嚥下障害学演習

    摂食嚥下障害の症状の評価や訓練の方法を学び、症例に応じて適切な支援を行う力を養うとともに、飲み込みやすい機能性食品の開発などにも取り組みます。また、チーム医療を見据えた他職種との連携によるアプローチも学びます。

  • 現場さながらの演習で技術を高める

    聴覚障害学演習

    聴覚検査と補聴器特性の測定と評価方法について、演習を通して学びます。臨床で実際に使用する機器で演習を行い、技術を評価する力を実践的に養います。

学科トピックス TOPICS


  • 光華幼稚園・光華小学校で子どもの発達リアルに学ぶ

    併設の幼稚園や小学校と連携し、言葉の習得が遅れている子どもや言語能力に課題を抱える子どもをサポートするプログラムを展開しています。幼児期は、周囲との関わりや遊びを通じて急速に言葉を覚え、言語によるコミュニケーションができるようになる重要な時期です。「話す」「聞く」といった日常的な動作の発達過程を実際に観察しながら指導を行うことで、講義で学んだ知識を実践に応用する力が養われます。

  • コミュニケーション支援を学ぶ「失語症サロン」

    失語症の方々に対するサポートの一環として、コミュニケーションを楽しんでいただける場を提供することを目的に、「失語症サロン」を大学内で定期的に開催しています。学生は失語症の方々との交流の中から、言語訓練や日常生活に対するアドバイス方法、ご家族の方への対応方法などを学びます。また、授業とは別に、失語症の勉強や検査の練習も行っています。

  • チーム医療に応えるスペシャリストに
    他学科との多職種連携教育が充実

    言語聴覚士として、患者さんのコミュニケーション機能向上に向けた支援をするためには、医師、看護師などとの多職種協働におけるチームワークが不可欠です。本学では京都・滋賀地区トップクラスの専門職養成の幅広さにより、多職種連携教育が充実。学部学科を越え相互に学び合う横断的なカリキュラムで、幅広い視野をもって各職種の専門性や役割の相互理解を深め、チーム医療の一員として必要な実践力を養成します。

  • 産学連携で開発!失語症アプリ「コトサプ」

    Ghoonuts株式会社との産学連携で、重度から中等度の失語症治療をサポートするアプリ「コトサプ」を共同開発しました。本学教員が臨床および学術的観点からトレーニング内容を監修。このアプリを使用することで、短い文の理解や単語の発話を目的としたトレーニングを病院だけでなく、自宅でも実施できるようになりました。AIによる発話判定やクラウドによるアップデートなど、新たなデジタル技術を用いた注目のアプリです。

在学生の声 STUDENT VOICES


My Well-Being Goal何歳になってもおいしく楽しく食事ができる世界
佐藤 花子 さん

2年生 S.S さん

石川県 私立北陸学院高等学校出身

リハビリを受ける祖父
その姿を見た瞬間に目標ができた

中学生のとき、入院中の祖父が言語聴覚士とリハビリをしている様子を見たことがきっかけで、言語聴覚士に関心を抱きました。また、なり手不足だと知ったのも、本専攻への入学を後押ししました。

好きなことを諦めてほしくない
悩む人を支える言語聴覚士

食べるのが好きなのに食事を楽しめない、おしゃべりが好きなのに話せない。患者さんのそんな話を聞くたびに胸が痛くなります。言語聴覚士になり、患者さんやご家族の力になりたいです。

SPECIAL PROGRAM飲み込みやすい和菓子の開発

KOKA☆オレンジサポーター

高齢者・障がい者の口腔機能の低下を予防し、いくつになっても食べる楽しみを味わえるように、飲み込みやすい和菓子の開発に参加したり、地域の方に向けた啓発活動を行っています。
喉の機能測定や脳トレなど、当事者との関わりを通してコミュニケーション力が高まったと感じています。

目指せる進路 CAREER PATH & SUPPORT


就職先

  • 総合病院
  • 老人保健・福祉施設
  • リハビリテーション専門病院
  • 障害者福祉センター
  • 小児療育センター
  • 通園施設 など

(国研)国立循環器病研究センター/武田病院グループ/恩賜財団京都済生会病院/岡本病院(財)京都岡本記念病院/洛和会ヘルスケアシステム/京都大原記念病院グループ/京都リハビリテーション病院/京都地域医療学際研究所がくさい病院/丹後中央病院/滋賀県立総合病院/公立甲賀病院/近江兄弟社ヴォーリズ記念病院/清仁会洛西シミズ病院/金沢赤十字病院/誠光会淡海医療センター/ひょうごこども家庭福祉財団/京都聴覚言語障害者福祉協会/杉田玄白記念公立小浜病院/(医)富田浜病院/(医)大雄会 ほか

※就職実績は過去3カ年のものです。

就職率のグラフ

※就職率=就職者/就職希望者
(就職者13名、就職希望者14名)

充実のサポートで国家試験合格へ

1年次から授業内容と国家試験対策を連動させ、基礎学力と専門科目の理解を循環型で深めるとともに、担当教員による定期的な進捗確認と個別指導を行います。3年次からは、学生の習熟度に合わせた少人数制の補習で苦手分野を克服。卒業後も、臨床業務、大学院進学、再就職、国家試験の再挑戦をサポートする個人相談や、卒業後セミナーを実施しています。

手厚いサポートで模擬試験の成績がアップ!
手厚いサポートで模擬試験の成績がアップ!
言語聴覚士を目指す

卒業生インタビュー GRADUATE VOICES


  • 言語聴覚士 公益財団法人ひょうご
    子どもと家庭福祉財団
    健康科学部 医療福祉学科 言語聴覚専攻 2023年度卒業
    兵庫県立 柏原高等学校出身
    ※学部・学科名は入学時のものです。
  • 言語聴覚士 宇治徳洲会病院
    看護福祉リハビリテーション学部 福祉リハビリテーション学科 言語聴覚専攻 2022年度卒業
    京都府立 山城高等学校出身
    ※学部・学科名は入学時のものです。

教員メッセージ PROFESSOR'S MESSAGE


河村 民平教授

河村 民平教授

話す・聞くことが困難な人々の「伝えたい」という想いを実現する

人と人とを結ぶ大切な架け橋である「言葉」に、困難を感じる方を支援し、伝えたい想いを実現するのが言語聴覚士の使命です。高度な知識と実践力、そしてあなたの優しさと情熱が、誰かの未来に光をもたらします。

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