2026.05.20 教員コラム

言葉を支える脳のしくみ―失語症リハビリテーションの研究―(教員ブログ:河村)

脳卒中などの病気によって、言葉が出にくくなったり、相手の話が理解しにくくなったりすることがあります。このような症状を失語症と呼びます。失語症は、コミュニケーションに大きな影響を与えるため、日常生活や社会参加に深く関わる障害です。

私は言語聴覚士として、失語症の方のリハビリテーションに関する研究を行っています。特に関心を持っているのは、「言葉は脳の中でどのような仕組みによって生み出されているのか」という点です。

言葉の働きは、脳の一つの場所だけで行われているわけではありません。言葉の意味を理解する働き、音を処理する働き、言葉を思い出す働きなど、さまざまな機能が協力しながら成り立っています。私はこうした言語の仕組みを、認知神経心理学や認知神経科学という分野の考え方を用いて分析しています。これは、症状の特徴から「脳の中でどの働きがうまくいっていないのか」を推測し、より効果的な訓練方法を考える研究分野です。

最近は特に、「注意」と言葉の関係にも注目しています。私たちは会話をするとき、相手の話に注意を向けながら、自分が話す内容を考え、適切なタイミングで言葉を選んでいます。つまり、言葉のやり取りには、言語の能力だけでなく、注意や記憶といった認知機能も深く関わっています。こうした視点から失語症を理解することで、新しいリハビリテーションの可能性が見えてくると考えています。

また、言語の働きを支える脳の仕組みとして、大脳の言語中枢だけでなく、脳の深い部分にある線条体や視床といった構造にも注目しています。これらの領域は脳内の情報を調整する役割を担っており、言葉の働きにも重要な影響を与えている可能性があります。

このように、脳の仕組みを多角的に理解することで、失語症のリハビリテーションをより効果的なものにし、言葉によるコミュニケーションを取り戻す支援につなげたいと考えています。さらに、こうした研究成果を教育にも活かし、次世代の言語聴覚士の育成にも取り組んでいます。

言葉は、人と人とをつなぐ大切な手段です。脳と言葉の関係を明らかにする研究を通して、失語症の方々の生活を支える新しい知見を発信していきたいと思っています。


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