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ベルの物語

ベル 春を待つ ①

ベルは、こども教育学科に 住んでいる クマです。

大学の 賢風館 5階にある コモンズという 部屋で 暮らしています。

 

去年一年は、ベルにとって とても さみしい年でした。

春から 夏にかけて、ベルは ずうっと 一匹で 過ごしていました。

秋になると、ようやく 学生さんたちと 会うことが できました。

でも、子どもたちとは 一度も 遊べませんでした。

 

そして また、新しい 年が やってきました。

冬の あいだ、コモンズにくる 学生さんの 数は 少なくなりますが、

それでも 毎日、誰かが いて、勉強したり、おしゃべりをしたり していました。

 

でも 今年の 冬は 違いました。

ベルは また 一匹になってしまいました。

がらんとした コモンズは あまりに さみしくて ベルは じっとしているのが つらくなってきました。

 

その時です。

突然 歌うような声が しました。

♪はぁい、ベルちゃん。今から お散歩 行きますよ〜♪

そこに あらわれたのは、「うたう先生」でした。

その先生は、ベルが 見ている時は いつも 歌を 歌っているか、歌うように お話を していました。

それで ベルは 心の なかで その先生のことを 「うたう先生」と 呼んでいました。

うたう先生は、いつも ベルを 光華こどもひろばに つれていってくれました。

そこで 先生は いつも 楽しそうに おやごさんたちと お話したり、子どもたちと 遊んだりしていました。

 

「えっ?? いまから?? どこに??」

ベルは 目を ぱちくりさせました。

びっくりしている ベルを、先生は 台車に 乗せると、

♪はぁい、行きますよ〜♪ 

と、また 歌うように 言いました。

台車は ぐんぐん 進んでいきます。

ベルは いったい どこに いくのでしょう。

こうして ふたたび ベルの 冒険が 始まりました。

(続く)

ベル お散歩に いきましょう♪