京都光華女子大学 人間健康学群 ニュース バリ島研修の目的2/3「プライマリヘルスケアの体験」

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2年次バリ島研修計画

バリ島研修の目的2/3「プライマリヘルスケアの体験」

人間健康学群では、2年次夏休みにバリ島研修(ブログ記事)に行きます。人間健康学群でなぜバリ島研修かご質問頂きます。研修目的は主に3つあります。このブログでは、2つめの目的をご紹介します。

2つめの目的は、「プライマリヘルスケア(PHC)」の体験による、基本的人権としての健康の保障と支援の在り方の学びです。

PHCは、世界保健機関(WHO)が提唱した「アルマアタ宣言」に基づく考え方です。PHCでは、すべての人にとって健康を基本的な人権として認め、その達成の過程において、住民の主体的な参加や自己決定権を保障する理念、方法・アプローチです。アルマアタ宣言では、健康問題と教育、食料供給と栄養改善、家族計画を含む母子保健など8つの活動が提言されています。

バリ島では研修では、貧困と教育に焦点を当てて、PHCの観点で以下の2つの施設を訪問し、有識者のお話を伺い、施設を利用されている子ども・大人と交流し、支援体制の現状、問題点や改善方法などを考えます。

1.孤児院:親を亡くされた、経済的な理由から養育が難しいなど、様々な家庭の事情で預けられている子どもたちへの教育、栄養、居住、社会参加などの支援体制
2.助産院:貧困等のため医療を受けられない妊産婦や患者に無料で医療を提供している支援体制

人間健康学群では、学びトピックスの1つとして、厚生労働省が提唱した地域包括ケアシステムがあります。このシステムは、地域に住むすべての住民に対して、住まい・医療・介護・予防・生活支援などの健康ケアを支援するサービス提供体制で、2025年の実現を目標にされています。PHCと地域包括ケアシステムは、支援体制の方法・アプローチは異なりますが、思想は同じと考えています。

多くの国で、PHCに関する諸問題を抱えています。バリ島でのPHCの体験を通じて、弱い立場にある人々への思いやり、またそうした状況を変えたい意欲を高めて頂きたいと考えています。

文責:酒井浩二