京都光華大学 短期大学部 ライフデザイン学科 ニュース ウェディングブーケのおはなし④ ドレスに合わせて選びましょう

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ウェディングブーケのおはなし④ ドレスに合わせて選びましょう

こんにちは!ライフデザイン学科教員の菅尾英代です。

今日は、ウェディングブーケの選び方についてご紹介したいと思います。

前回の記事で、ブーケとブートニアのセレモニーについてお伝えしながら、ウェディングブーケが中世ヨーロッパのラブストーリーに起源をもつことについてお伝えしました。このお話、実はたくさんある由来の中の1説。このほか、ブーケは古来より花嫁が悪魔にさらわれないように魔除けとして持たれていた、とか、さらには虫よけなどで中世にはすでにヨーロッパで用いられていたハーブを束ね、疫病除けの意味を持たせていた、などなど、「歴史に諸説あり」とはよく言ったものです。

このようにさまざまなエピソードが語り継がれるウェディングブーケですが、現代の日本では、ご新婦様の好みに合わせて選んでいくことが主流です。では、どうやって選んだらよいのでしょうか。

ブーケは通常、ドレスが決まった後にフローリストさんと打ち合わせをして決めます。それは、ドレスとの相性があるからです。相性のひとつは、ドレスの形とブーケのデザイン。もうひとつは、色合わせです。それでは、代表的なドレスの形と相性の良いブーケデザインをご紹介しましょう。


① Aラインのドレス
Aラインは、ウェストから裾に向かってフレアに広がる定番ラインです。このオーソドックスなドレスには、オーソドックスなデザインの「キャスケードブーケ」がよく似合います。キャスケード(cascade)は滝という意味ですので、高めのウエストラインからすっきりと広がる姿に、小花やグリーンがかわいらしく流れるようなブーケがぴったりはまって女性らしさを演出します。
また、まん丸シェイプのラウンドブーケもよく似合います。

ウェディングブーケのひとつの例 かわいらしいキャスケードブーケ
かわいらしいキャスケードブーケ


② プリンセスラインのドレス
プリンセスラインは、Aラインとよく似ていますが、スカート部分にはボリュームをもたせ、裾に向かってふんわりと広がるデザインです。みなさんご存知のディズニープリンセスのなかで、『美女と野獣』の主人公ベルが着ている黄色のドレスが、まさにプリンセスラインのドレスです。このドレスには、見た目がまん丸でコロンとした「ラウンドブーケ」がよく似合います。

ウェディングブーケのお話の例 コロンとしたまん丸のラウンドブーケ
コロンとしたまん丸のラウンドブーケ


➂マーメイドラインのドレス
マーメイドラインは、膝のあたりまでをボディラインにフィットさせ、膝から裾にかけて人魚の尾ひれのように広がる形のドレスです。このようなモダンかつフェミニンなラインのドレスには、ナチュラルなお色味や異素材を取り入れて花材を束ねた「クラッチブーケ」、カラーなどエレガントできれいな曲線を描く茎を束ねた「アームブーケ」、また、ドレスのテイストに合わせてフリルのお花を使ったフェミニンブーケや、ワイルドな雰囲気漂うナチュラルブーケもよく似合います。
これらに代表されるリュクスな雰囲気のブーケは、アンティーク調で上品なエンパイアラインのドレスやシンプルなスレンダーラインなどにもよく似合います。

ウェディングブーケのお話の例 落ち着いた色味のクラッチブーケ
落ち着いた色味のクラッチブーケ

 

形が決まったら、色合わせです。特にカラードレスの場合、色と色がかち合わないように、ドレスの色とブーケの色のバランスを考えるのがおすすめです。

株式会社日本カラーデザインより提供されるイメージスケールによれば、カジュアル・ロマンチック・ナチュラル・エレガント・シック・クラシック・モダンなどのイメージに合う配色があることがわかります。特に、ウェディングブーケという目に見えない商品を選ぶためには、ご新郎様・ご新婦様の思いを伝える「言葉」からイメージをとらえて具現化するプロセスが生じます。

納得のいくトータルコーディネートのために、ぜひ、ドレスのお色味とご自身のイメージを掛け合わせて、フローリストに思いつく限りの言葉を伝えてみてください! 

今日は、ウェディングブーケの基本的な選び方についてご紹介しました。より幅広く知りたい方は、ブーケの形から見るドレスとの相性ドレス素材や色味に合うブーケ・花材などいろいろな角度からブーケについて知り、ぜひご自分の理想のスタイリングを考えるきっかけにしてみてください。それでは、またお会いしましょう!