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2026.03.11 専門分野コラムウェディングブーケのおはなし⑥ 想いを形に残しましょう
こんにちは!ライフデザイン学科教員の菅尾英代です。
今日は、結婚式が終わった後のウェディングブーケの行先についてご紹介したいと思います。
前回の記事で、ウェディングブーケの基本的な考え方と形についてお伝えしました。使用するお花の大きさや形、質感やグリーンの色合いなどで幸せや喜びをひとつの形にすることが大切なポイントでしたね!形はご自身の好みで決められれば、あとはフローリストさんがしっかりとデザインして仕上げてくださいます。
みなさんが花嫁だとしたら、このご自身の願いや思いを形にしたウェディングブーケを、結婚式後にどのような形で残したいですか?今日はそんな、ウェディングブーケの行先についてご紹介します。
古くからの伝統に、「ブーケトス」という風習があります。花嫁が自分のブーケを未婚女性に後ろ向きで投げる演出で、ブーケを受け取った女性は次の花嫁と言われています。この習わしは、一説には、14世紀のイギリスに起源をもち、花嫁の幸せにあやかるための行為が転じたものだといわれています。
しかし、14世紀のイギリスの様相は、今からは想像できないほど過酷な状況でした。ヨーロッパ全体を評して「危機」の時代ともいわれています。この時期には、大飢饉やペストの流行など、誰もが生命の危機を覚えた時代でした。とくにイギリスは、フランスとの百年戦争を抱え、疲弊の一途をたどっていたようです。
そんな時代の結婚式、みなさんはどんな風に想像されますか?私はそんな時代だからこそ、とても特別で幸せな瞬間だったのではないかと思います。
祝福の思いと感謝の想いがあふれて誰もが自然と笑顔になれる1日。それが結婚式なのです。そんな素敵な1日をもたらし、未来に希望をもって進むということを気づかせてくれる新郎新婦。当時は、新婦のドレスやブーケに触るという行動が、若い女性にみられたそうです。明日がわからない今だからこそ、花嫁の幸せにあやかりたいという女性の気持ち。なんだか切実で胸が苦しくなりますね。

中世の街並みが残るイギリス・ライの町(イングランド南東部)
この話が本当かどうか、当時の史料を読み解かなければわかりません。ただお伝えしたいことは、見えている世界だけが本当の世界ではないということ。現代では幸せな花嫁の象徴ともいえるブーケトスも、時や場所が変われば、それ自体が持つ意味が変わってくる可能性もあるということです。
このように時代背景と合わせて言い伝えを別の角度から見てみると、見えなかったものが見えてきますね!機会があればぜひ、ブーケトスの由来について、ご自身でも探究してみてください。きっとおもしろい発見があることでしょう。
とはいえ、現代日本では、ブーケトスは「幸せのおすそ分け」です。大切なご友人への最高のプレゼントとして、挙式後に空高く投げてみてください!きっと最高の笑顔を見られますよ!
さて、次にご紹介するのは、「アフターブーケ」サービスです。アフターブーケは、お式が終わったウェディングブーケを押し花やドライフラワーに加工し、インテリアとして飾れるようにすることです。
アフターブーケサービスでは、ブーケの形のまま押し花にして絵画のように額に入れることもできますし、ブーケに使ったお花をデザインして別のものを作り出すこともできます。ご自身の想いに合わせて、新居に合わせて、さまざまな形で幸せな1日を残すことができるので、とてもおすすめです。

フレームに入れて絵画のようにデザインされた押し花
注文は、フローリストとのお打ち合わせ時にあらかじめすることもできますが、挙式当日に決めることができる会場もあります。興味のある方は、事前に問い合わせをしておくとよいでしょう。
今日は、ウェディングブーケが本来の役目を終えた後にどう残していくかについて、代表的な2つをご紹介しました。ブーケトスも、アフターブーケも、その日その時のお気持ちを形に残すことができます。こんなアイデアも織り交ぜながら、ぜひ後悔のない最高の1日を作っていかれますように!
これまでシリーズでお届けしてきた「ウェディングブーケのおはなし」は、今回で終わりです。また次のシリーズでお会いしましょう!
