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教員コラム

退化?

 無線LANは便利でした。いや、便利だと信じていました、最近までは。
 今は逆に目に見える線がつながっていること(有線)がベストだと思うようになりました。
 以前、自宅内の有線LANを撤去し、無線LANにした時、物理的に縛られない解放感を感じました。
 プリンターを無線LANで使用できるものに買い替えた時も、リビングでパソコン作業をしながら、自室に行くとプリントアウトができていることに感動すら覚えました。
 そのような時を経て、コロナ禍で在宅勤務が増えてくるに従い、インターネットが途切れたり、プリントアウトがうまくできなかったり。結局、一度撤去した線をみんなつなぎなおしてようやく仕事が出来るようになりました。

 この頃、同様の経験をすることが多くなりました。
 ビニール袋が有料になり、エコバッグを携帯するようになりました。エコバッグというと新鮮に聞こえますが、結局かつての買い物袋に戻っただけです。
 トイレで全面的に普及してきたハンドドライヤーがコロナ禍で使用不可となり、ハンカチを携帯するようになりました。

 以上の例はみな、便利さを求めて進化した果てに元に戻っています。
 これは「退化」なのでしょうか。
 むしろ必要以上に進化しすぎた末に、適度な便利さに落ち着いたのではないかと思います。
 「なにごとも進化し続けなければならない」と人は思い込んでいるのかもしれません。人が進化していくことは大切なことだと思います。が、モノを進化させるのはほどほどにして、ある種の不便さを知恵で補って使用していく方が人の心にとっては快適なのではないかと思う今日この頃です。
 みなさんはいかがお考えでしょうか。

礪波 朋子(2020/11/30)