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教員コラム

祈ること

2020年が終わり、新しい年2021年がやってきました。少しでもよい年でありますようにと祈らざるをえません。

毎年12月のこの時期に我が家は決まって短い旅行に出かけます。行先は沖縄です。残念ながら今年はコロナのために自粛しました。学会で初めて行った沖縄に魅了されとりこになりました。その未知の文化にとても興味を持ちました。特に心魅かれたのは、沖縄のあちらこちらにさりげなく存在している「御嶽(うたき」でした。広辞苑によると、御嶽とは、「沖縄の村々にある聖地で、多くは森、石やクバ・ガジュマルの木などがあり、最も神聖な場所とされ、祭りの多くはここで催される」のだそうです。

沖縄旅行に行くたびに、その土地の御嶽を訪れました。拝殿ならぬ小さな拝所のある前でそっと手を合わせます。ある時、木々の茂みの小道の奥に草の生えていない小さな円形の空間がありました。御嶽でした。その道を歩み進んで御嶽を見つけた時、周りの木々からたくさんの蝶が舞いあがりました。その光景のすばらしさに目を見張りました。聖なるものを実感した瞬間でした。

何もなす術もない時、できることはただ祈ることだけかもしれません。祈ることの意味を信じる事ができた経験でした。 (千野美和子)