少し前までニュースで流れていた「避難勧告」、最近聞かないなと思った方はいませんか?そうなんです、現在では避難勧告は廃止されているんです。
わたし、仕事をいろいろとやっているので、職業柄?ウェブサイトのドメイン(○○.comみたいなの)を管理することが多いんですね。新しくウェブサイトを立ち上げることもあれば、サービスが終了するサイトもある訳で。ドメインを廃止する場合は契約更新をしない設定にするんですが、そのときわりと早めの段階からドメイン管理会社から「契約更新のお知らせ」メールが来るんです。放置していると次第に口調が厳しくなっていって、「注意!」だったり「警告!」の文字が入ってきて。この間はハガキまで来ていました(笑)。でもクライアントの意向なのでどうしようもないサトウですこんにちは。管理会社の中の人、気持ちはわかるよ……。
管理会社からたくさんの連絡が来るのは、「大事なメールだと思わなかった」と見過ごしたことによってドメインを失ってしまうトラブルが非常に多いからでしょうね。一瞬の「見過ごし」が致命的な損失につながってしまいます。災害時の避難情報も同じです。「まだ勧告だから大丈夫」という勝手な解釈が、かつて多くの命を奪ってきました。この記事では、2021年に刷新された「避難情報」の新しい仕組みをわかりやすく整理します。
- 「避難勧告」「避難指示(緊急)」という言葉を今でも使っている方
- 警戒レベルの意味をざっくりしか知らない方
- 水害・台風に備えたい方
なぜ「避難勧告」は廃止されたのか
2021年5月、災害対策基本法の改正により「避難勧告」が廃止され、「避難指示」に一本化されました。
廃止の最大の理由は、住民の「行動の遅れ」です。
「避難勧告」と「避難指示(緊急)」は、もともと危険度が異なる2段階の情報でした。しかし、「避難勧告」が出ても「まだ避難指示(緊急)ではないから大丈夫」と判断して動かない住民も多くいました。2段階あるぶんだけ、最初の方を「猶予の信号」として受け取ってしまったのです。これも正常性バイアスの一種ですね。そこで「勧告」を廃止し、「避難指示」に一本化することで「出たら全員動く」という明確なメッセージに変えました。
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新しい「警戒レベル」5段階の全体像
現在の避難情報は「警戒レベル1〜5」の5段階で構成されています。レベルが上がるほど危険度が高くなります。
| 警戒レベル 1 | 発令主体:気象庁 |
| 警戒レベル 2 | 発令主体:気象庁 |
| 警戒レベル 3 高齢者等避難 | 発令主体:市区町村 |
| 警戒レベル 4 避難指示 | 発令主体:市区町村 |
| 警戒レベル 5 緊急安全確保 | 発令主体:市区町村 |
レベル5「緊急安全確保」は「発令されたら安全に避難できる」タイミングではありません。すでに災害が起きている段階です。必ずレベル4「避難指示」の段階で行動してください。レベル5になってから動こうとするのは非常に危険です。
「警戒レベル3で動く」人が命を守る
先述の通り、レベル4「避難指示」が最重要の行動トリガーです。しかし、できればレベル3「高齢者等避難」の段階で動き出すことが理想です。
理由は3つあります。
「避難情報」を日常的に受け取るための準備
警戒レベルを知っていても、情報が届かなければ意味がありません。以下の3つを今すぐ確認してください。
警戒レベル3以上の避難情報は、対象地域のスマートフォンに緊急速報メールで配信されます。設定がオフになっていると届きません。
- iPhone:設定 → 通知 → 緊急速報をオン
- Android:設定 → 安全性と緊急情報 → 緊急速報メールをオン
多くの自治体では、LINEや専用アプリ・メール登録で避難情報を配信しています。「お住まいの自治体名+防災情報メール」で検索して登録しておきましょう。
参考(京都市の例):京都市防災ポータルサイト
警戒レベルへの対応は「自分の家がハザードリスクのあるエリアかどうか」によって変わります。事前にハザードマップで自宅の状況を確認しておきましょう。
まとめ
- 「避難勧告」は2021年に廃止。今は「避難指示」に一本化されている
- 警戒レベルは1〜5の5段階。レベル4「避難指示」で全員が行動する
- レベル5「緊急安全確保」まで待ってはいけない。レベル4で動く
- できれば「レベル3」の段階で動き始めるのが理想
- 緊急速報の設定・自治体防災情報の登録を今日確認する
防災の知識は「最新版」を使うことが大切です。古い情報のまま「避難勧告が出たからまだ大丈夫」と判断しないために、今日この記事を読んだことを誰かに話してみてください。それだけで、あなたの周りの防災レベルが少し上がります。
「ちょっと防災」、今日から始めてみてください。
このブログは、学生や地域の皆様が防災の基本を体系的に学べる「オンライン防災教本」を目指して、本学教員である筆者の研究・教育成果に基づき作成しています。
実際の災害時は現場の状況に応じた柔軟な判断が求められます。記事に含まれる情報の活用は読者の皆様の判断と責任において行っていただきますようお願い申し上げます。また、記事の内容は大学の公式な見解や推奨を意味するものではありません。なお、記事に含みうる誤りに関する一切の責任は筆者に帰属します。
