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社会福祉って何?

出会いの場面での ジョイニング と パーソナルスペース

 新年度が始まりました。新しい生活もひと月が立ち、慣れましたでしょうか。

新しい場所、新しい人に囲まれ、新しいことをする…。

こんなことが重なる時は、それまでとの生活とのギャップも大きく、

誰でもエネルギーを使います。

新しい環境に入っていくときは、

皆さんはどんなことを心掛けているでしょうか?

服装や身だしなみ、言葉遣いもあるかもしれません。

そういう意味では、社会福祉のお仕事は、
新しい方との出会いの繰り返しのお仕事ともいえます。

そんな場面での福祉職はどんな工夫をしているのでしょうか?
 

あなたを守るパーソナルスペース

 まずは、初めて出会う方との距離です。
近すぎてもいけませんし、遠すぎてもいけません。
話そうと思っても声がきこえにくくてもいけません。
近すぎがよくないのはコロナ禍である今は当然ですし、
その前からでも近すぎると警戒心が働きます。

人は動物です。
動物は種の保存が目的で、そのためには自分が生き残り、

次世代を残したいという性質があります。

そのため、私たちは相手から危害が加えられるかどうか?

安全な場所であるかどうか?を

常に無意識的に確認しています。

叩こうと思って手が届くか?蹴ろうと思って足が届くか?…ですので、

人が並んで立ってお互いに、腕を伸ばし合って、

手が触れるか触れないかぐらいの距離に離れてみましょう。

ぎりぎり手が触れない距離ぐらいが一番良いといわれています。

これを「パーソナルスペース」といいます。

それを守ることがまずは物理的に大事といわれています。

人間も動物ですし、痛いのは誰でも嫌ですから当然ですね。

 

 同じですね!一緒ですね!の力

 では出会って、どんなことを話題にするのがいいでしょうか?

福祉職が心掛けていることの一つは、

相手との共通点を見つけることです。

似たような色の服を着ている、帰る方向が同じ、

好きな俳優さんが同じ。何でも構いません。

自分が好きなものを、この人も好きだと思っている。

似たような価値観を持ち、他にも共通のことがあるかもしれない…?と

相手に関心を持つようになりますし、期待もします。

相手に関心を持つことは、自分以外の社会とつながることになります。

他人と共通、同じである驚き、自分が選んだものを相手が選んでいるという偶然。

こういった喜びはSNSで同じ趣味の仲間がコミュニティを作ったり、

いろんな価値観を持つ人がいて、自分と同じ価値観の人に出会える確率が高くなるだろうと

思える都市部での生活に憧れたり、多くの人が持つ気持ちといえるかもしれません。

 

一方で、個性や自分らしさ、違いを大切にすることも大事です。

でも、何もかもを違いで埋め尽くすのは、すべてが独自の経験になっていきます。

これは、よほどの精神力がいるのではないでしょうか。

「これお揃いにした!」「まねしたよ!」といわれたら嬉しかったりします。

私が持っているのを知っていて、その人もそれを選んだ。

この事実は自分を認めてもらったようにも感じられます。

ですから、自分からマネすることも自分の選択にいれておくのも

楽しいといえるかもしれません。

 


目の前の方と気持ちがつながっているかな… ジョイニング

 福祉の現場で利用者の方と出会うとき。

そんな場面のことを支援者は

ジョイニング」の場面と呼んでいたりします。

はじめはお互いに知らない者同士です。

いくら福祉の仕事を長くしていても、その方と出会うのは初めてです。

緊張はなくなりませんし、ある程度なくならないぐらいの方がいいとも言えます。
「こんにちは」「はじめまして」というような言葉で

一言目は始まるかもしれません。

福祉の仕事は人と人との出会いです。

もちろん相談員や支援者という役割が福祉職にはあります。

しかし、人と人が出会っている事実もそこには併存し続けます。

そんな時、自分だけが必要以上に丁寧な言葉を使うのも不自然です。
「~でいらっしゃいますでしょうか」という言葉も使い慣れてもいませんし、

来てくださった方もなじみはないでしょう。

福祉職は相手の言葉遣いや相手が使った表現をきいて、

自分もその言葉や表現を使うこともしていきます。

先ほどの共通ということにもつながるところです。

そんなことも意図的に援助者は行って、ジョイニングの場面は進みます。


ジョイニングという言葉は「ジョイント」という言葉が元になっています。

「つながる」という意味です。今出会っている方とつながるということです。

お互いがつながっていると一定思えると出会いの始まりの時よりは

少しお互いにリラックスできます。

私はジョイニングの目安は、相手の表情が少し緩み、

笑みと見えるようなものが相手の表情に浮かんだかな?と

思えるかどうか。それも一つの目安になるよ!と先生からならいました。




笑顔に出会うとホッ…

私に授業で出会ってくれた学生に笑顔が見えると少しホッとします。

新しいメンバーで、同じ教室で過ごす。そこで笑顔があるかどうか。

そんなことを確認しながら授業をしている先生も多いはず。

福祉の学びは、自分の生活にも参考になることが多いですし、

一生持ち続けることができる工夫や考え方に出会うことができるのも面白いところです。

(千葉晃央)

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