こんにちは！
「情報分野」担当の辻野です。

みなさんは，「情報デザイン」という言葉をご存じですか？

2022年度から始まった高校の「情報I」に，「コミュニケーションと情報デザイン」という内容があります。この「情報デザイン」というのは，相手にとって分かりやすいように情報を構成して伝えるための方法です。

今年度は、魚の情報デザインについて説明します。

魚の「タラ」の食べ方を、次のような手順で可視化資料を試作しました。今回の記事では，その過程を解説します。

　　ステップ1　情報を収集する
　　ステップ2　情報を整理する
　　ステップ3　情報を表現する

それでは，順を追って解説します。

●ステップ1　情報を収集する
まず，可視化するための情報を集めます。

この時点では魚の種類を特定せずに，魚の食べ方（料理・食品）の情報を幅広く集めました。料理と食品の情報は本とウェブで探し，画像は全て「いらすとや（https://www.irasutoya.com/）」のものを使いました。参考にした本やウェブサイトは、この記事の最後の「参考資料」を参照してください。

●ステップ2　情報を整理する
集めた情報を，構造化という方法で整理しました。

情報の構造化とは，「あいうえお順」「階層化」「時系列」などの一定の規則に従って情報を整理する方法です。情報を分かりやすく整理することで，相手に伝わりやすくなります。

例えば，生物の分類は「階層化」という方法で構造化されています。魚のタラの一種である「マダラ」は、上の階層から順に，動物界，脊索動物門，条鰭綱，タラ目，タラ科，マダラ属に属しています。また「スケトウダラ」は，動物界，脊索動物門，条鰭綱，タラ目，タラ科，スケトウダラ属の魚です。この他のタラ類では、日本近海にはコマイが生息しています。

情報を探してみると、マダラやスケトウダラといったタラ類の料理・食品の情報とその画像が多く集まりました。このため、タラ類についてまとめることにしました。また，マダラとスケトウダラの両方に共通の料理が多くあり，両種を区別して表現すると複雑な図になる可能性がありました。このため，「タラ」としてまとめて、必要に応じて注釈として魚のなまえを付け加えることにしました。

今回は次の図のように階層を設定して，収集した情報を構造化して整理しました。





●ステップ3　情報を表現する
ステップ2で構造化をした情報から可視化資料を作成しました。

可視化資料の作成にはPowerPointを使い，フォントはユニバーサルデザインフォントの「BIZ UDPゴシック」を使用しました。





さて，出来上がりはいかがでしょうか？
まだまだ未完成なで，機会があればさらに進化したバージョンを紹介します。

●参考資料
可視化資料「タラの食べ方」は、次の情報を参考にして作成しました。


書籍（情報デザイン）
田中克己・黒橋禎夫編，「京都大学デザインスクール　テキストシリーズ 4 情報デザイン」，共立出版社，2018年
木村博之著，「インフォグラフィックス」，誠文堂新光社，2010年

書籍（料理、食品）
講談社編，「旬の食材　冬の魚」，講談社，2004年
藤原昌高著，「からだにおいしい　魚の便利帳」，高橋書店，2010年
高橋書店編集部編，「からだにおいしい魚の便利帳　全国お魚マップ＆万能レシピ」，高橋書店，2019年

ウェブサイト（料理、食品）
農林水産省　うちの郷土料理，https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/index.html

画像（魚、料理、食品）
いらすとや，https://www.irasutoya.com/


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