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教員ブログ

「紙加工技術展2022」に参加しました

こんにちは。
ライフデザイン学科でデザイン企画分野を担当している羽深です。

22年度前期の「ユーザー体験価値デザインⅡ」の授業では、京都市にある紙製品の印刷・加工を専門とする大建加工株式会社と紙の商品開発を通じた新しい価値創造をテーマに産学連携授業を行います。今回、企業からお声掛けを頂き、422日に大阪市中央区本町にある大阪産業創造館で行われた「紙加工技術展」へ調査にうかがいました。

当日は関西地区を中心に日本全国から、紙の加工・プロダクト製品・新素材の提供を専門とする50の企業が集まり、最新の紙加工テクノロジーについて、実際の商品や試作品を用いてプレゼンテーションをされていました。すべて見させて頂いたうえで、私が興味を持った事が2つありました。

1つは今年の4月に施行されたプラ新法(=プラスチック資源環境促進法)に焦点をあてた提案です。すでに有名コーヒーチェーン店では使い捨てのプラスチック製ストローを廃止し、紙製のストローへ変更されています。今回の展示会では様々なプラスチック製品に代わる紙製品の提案がなされていました。中には食べられなくなったお米から作った紙を加工して製作したクリアファイルもあり、まさにSDGsへ技術で貢献しようという企業の取り組みに触れることが出来ました。



写真1:株式会社南製本紙工
食べられなくなったお米から作った紙(クリアファイル)

もう1つは、特殊な印刷・加工技術を用いた新たな価値創造です。私が特に面白いと感じたのは紙に特殊な立体的な印刷をすることで、手触りや見た目を白木の箱と同等の質感にする印刷加工でした。木箱に入ったソーメンや高級食材などをお中元やお歳暮で頂くことがありますが、箱を捨てる際は解体が必要だったり、市町村によっては燃えるゴミとして木箱を捨てることが出来なかったりと意外に手間がかかります。貰った時は高級品を頂いたと非常に嬉しいのですが、捨てる時に困るパターンです。

今回、実際に製品を見て、触らせて頂きましたが、触感や見た目はまさに木箱同等。これでしたら見た目は高級、環境にも配慮し、捨てる時にも簡単とお客様にとって嬉しい体験の提供に繋がる技術と感じました。



写真2:廣川株式会社
まるで白木の箱のような手触りの紙箱

6月に実施する産学連携授業では紙加工の技術(シーズ)を活用した新しい紙の商品企画について、2年生の学生と、企業の企画、営業などを担当する社員の方が一緒にグループワークを行います。現在、学生は授業に向けて様々な事前準備、情報収集を行っていますが、教員も負けてはいられません。大学を飛び出して、様々な最新技術に触れて新しいアイデア発想に貢献をしていきます。