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あなたの主食は何ですか?

こんにちは。フード分野担当の濵田です。

今日の調理実習の授業では豆ご飯を作りました。今が旬、毎年この時期になると一度は食べたくなります。豆ご飯の他にも、塩味のごはんにとうもろこし、枝豆、さつまいもなど旬の食材を加えたご飯は日本人ならではの楽しみのひとつですね。

さて、今日は、「あなたの主食は何ですか?」

学生さんに聞くと多くの人は「ごはん」とか「おこめ」、少数ですが「パン」と答える人もいます。最近では「オートミール」と答える人もいます。でも、多くの日本人は「日本人の主食はお米」ということを疑っていないでしょう。

では次に「主食って何ですか?」と聞くと、「毎日食べるもの」、「おもに食べるもの」、「エネルギーになるもの」「食べ飽きないもの」「いろんな味に合うもの」などなど。確かにそうなんですが・・・。

食文化の分野では主食を「年間総摂取エネルギーの約3分の1を賄う食べ物」としています。では、「日本人の主食はお米」といえるのか、みてみましょう。

ここではイメージしやすいように、1日のエネルギーでみていきます。20歳女性の推定エネルギー必要量(kcal/日・身体活動レベルⅡ)は2000kcal、その1/3は約670kcal、これはコンビニのおにぎりにして34個分です。

みなさんは毎日おにぎり4個分のごはんを食べていますか?

朝はパン、昼はパスタやうどんなど麺類、夜はおかずが多めでご飯はお茶碗に軽く1杯、なんてことになっていないでしょうか?

実はこの60年の間に日本人が食べるお米の量は半分に減っています。お米の代わりにお肉や魚をはじめ輸入した多種類の食材をいっぱい食べているんです。

日本の食糧自給率は40%を切り、いつまでたっても目標の45%に近づくことがありません。日常には豊富な食材があふれていますが、実際に日本で自給できる食材はお米とおイモと野菜くらいなんです。日本の伝統的な食生活に欠かせないイメージの豆腐や納豆やみそやしょうゆの原料である大豆の自給率はたったの6%です。

最近では食物の値上げのニュースをよく耳にしますね。世界の食料価格指数(国連食糧農業機関による)はここ3年ほどで1.5倍に達し、肉類、穀物、乳製品などすべての品目で価格が高騰しています。これは中国の経済発展に伴う食生活の変化、2021年北米の小麦主産地の干ばつなどの気候変動、新型コロナの影響、さらにはロシアのウクライナ侵攻などが原因です。このように日本人の食生活は海外頼みの状況で食料供給は不安定です。

ですので、日本で自給できて、いろんなおかずと合うおいしい日本のお米を見直してみませんか。お米にはたんぱく質も含まれているので、お米をしっかり食べることでたんぱく質も摂取できます。お米からエネルギーを摂取することを意識して、もっとお米を食べましょう。