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教員ブログ

料理と道具

今回は私がライフデザイン学科で食に関わるいろいろな授業や活動をする中で、私の手元に集まってきた道具の一部を紹介します。写真の左から、和包丁、豆腐すくい、奥にお抹茶を挽く臼、手前はコーヒードリッパー、籐のうらごし、その奥は落し蓋とざるです。





この和包丁は日本料理の職人さんの包丁の研ぎ方について研究していた時のものです。職人さんが包丁を研ぐ時の身体や手の動かし方や力の入れ方を測定すると、手だけを動かしているのではなくて全身をリズミカルに動かしていることがわかりました。研ぎあがった包丁の切れ味はバツグンで、大根のかつらむきは厚さ0.5㎜、向こうが透けて見えました。

この豆腐すくいは授業の一環で私が編んだものです。針金に添えた指を交差させながら亀甲模様に仕上げます。均一にできなくて実は亀甲がゆがんでいます。この自分で作った豆腐すくいで湯豆腐をいただきました。これからお鍋の季節にも大活躍です。亀甲の編み方にも職人さんのコツが詰まっていて、針金をゆったりとしかも立体的に編んでいるのでお豆腐に網の跡が付きません。横のコーヒードリッパーは銅線を中心から周辺にむけて亀甲模様に編んだものです。これがあるだけで普通のコーヒー豆も何倍もおいしく感じような、風格が感じられます。

その奥のお抹茶の臼は製菓実習の和菓子作りの時にお抹茶を挽く体験をしてもらっています。1秒に1回のペースで時計と反対に回して、一人分のお抹茶を挽くのに30分くらいはかかります。しかも残念なことに、実際にはこの大きさの臼では碾茶を細かい粉に出来なくておいしくいただけないんです。。

手前の籐の裏ごしは和菓子のきんとんを作る時に使います。金属の裏ごし器ももちろんありますが、籐のものは弾力があり、下にでてきたそぼろの角がとがってなくて優しい感じがします。どうやらこの弾力があって扱いやすいことが職人さんに好まれているようです。

その奥は昔懐かしい木の落し蓋とざるです。今はもっと扱いやすいものがたくさんありますが、なんか、食材に優しかったり、おいしい煮物ができるような気がします。

こんな道具が身の周りにあると食材を優しく扱うし、丁寧に料理できて、おいしいものができる気がしてこれから先も大事にしたいと思っています。