京都光華女子大学 短期大学部 ライフデザイン学科 ニュース 株式会社細尾様と産学連携にて授業を開催しました!

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学生ブログ

株式会社細尾様と産学連携にて授業を開催しました!

京都西陣にて三百年以上前から織物を作り続けておられる織元・株式会社細尾様に多大なるご協力をいただき、現在の細尾様の取組、特に古代染色研究所のご活動を細尾真生会長から直々にご指導いただきました。
カリキュラムに参加し、実地体験学習をさせていただいた学生たちによる報告をご覧ください。


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M.F.さんのブログ

今回は西陣織の技術で世界に幅広い活動を手がけていらっしゃる「株式会社細尾」様のお話をお伺いしてきました。なんでも西陣織が世界に通用するまでとてつもない時間と労力が割かれ続けてきたのだとか。元々日本で使用されていた織物の巾はせいぜい40㎝程度、恐らくこの巾で生地作りを続けていても不便だと捉えられることはなかったのでしょう。しかし海外から西陣織に求められた織物の巾はなんと1m50㎝!倍以上の要求にはさすがの細尾さんも頭を悩ませたでしょうが、そこはやはり職人魂。困難にも諦めず立ち向かい、見事世界とのパイプを掴んだ話を聞いたときはとても会長様がかっこよく見えました。

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M.M.さんのブログ

1126日、123日、10日の3週間を通して、伝統的な西陣織について、株式会社細尾様の体験学習で学びました。1回目の授業では、細尾さんから西陣織や会社についてのお話を聞きました。2回目の授業は、染めに必要な植物を取りに行き、3回目の授業で、実際に布を染めました。一番印象に残っている染めの体験では、一つの工程を何度も繰り返し時間をかけて行いました。自分の目標としている色に近づけるためには、一つ一つの工程を丁寧に、そして時間をかける必要があるのだとわかりました。完成品は全員がきれいな紫に染まっており、すごく貴重な体験ができました。



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Y.Y.さんのブログ

今回、株式会社細尾様の農場、工房に訪れました。農場では、「ムラサキの採取」と「椿の灰作り」をしたのですが、椿をたくさん燃やしても、ごくわずかな量の椿灰しかできなかったので、椿灰がとても貴重なものであることを実感したのと同時に、貴重な資源を使うありがたさを感じました。工房では、作った椿灰と採取したムラサキを使ってハンカチを染めたのですが、思った以上に濃い色できれいに染まっていて感動しました。自分で染料から採取して染めるという体験はなかなかできないので、この授業を取って良かったと思いました。

 
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M.M.さんのブログ

 「くらしに生きるものづくり」の授業で3回にわたり「株式会社細尾」様で体験学習をさせていただきました。

細尾様は西陣織の会社です。第1回目の授業では本社を訪問し、西陣織のすばらしさや歴史、現在の取り組み、未来への展望についてお聞きしました。こちらでは衰退する西陣織をきもの帯としてだけでなく、洋服や壁紙・家具などへの応用、電子機器との組み合わせ、AIによるデザインなどで、その魅力を世界に発信しておられました。時代の変化に応じた新しい価値を創造しようとするご姿勢、後世に残すための工夫とご努力に感銘を受けました。

 細尾様は古代染色技術の継承にも取り組んでおられます。第2回目、3回目の授業はその体験をさせていただきました。染料となる希少種のムラサキ草の根掘り、媒染用の椿灰作り、染料の抽出など、染色の一部分だけでしたが、昔の人の知恵と手間を惜しまないモノづくりの姿勢を垣間見ることができました。

 会長様や職人さんの「自然との共生を考えなければいけない」、「自然から命をいただいてモノを作っていることを忘れてはいけない」というお言葉が、簡単にモノを手に入れては捨てている私たちへの戒めに聞こえました。先人のモノづくりへの姿勢に敬意をはらい、モノを使って生活できることのありがたさや美しいモノが私たちに与えてくれる安らぎについて今一度考えてみたいと思いました。



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「担当教員からひとこと」

皆さん、本当に貴重な講義と体験学習を頂くことができましたよね。植物を育てるところからの事業をスタートされている細尾様、本当に素晴らしいバイタリティーと思いますし、モノを作り上げるためには一番おおもとの材料がどれだけ大切なのか、そして、昔の人たちはそのあたりのことをどれだけ大切に考えていたのか、と言うことが良くわかる素晴らしい機会だったと思います。
株式会社細尾様の細尾真生会長に改めまして深くお礼申し上げます。


青木 正明