京都光華女子大学 短期大学部 ライフデザイン学科 ニュース PBL型授業で商店街や企業の課題解決に挑戦しています!

ニュース

教員ブログ

PBL型授業で商店街や企業の課題解決に挑戦しています!

こんにちは。
ライフデザイン学科でデザイン企画分野を担当している羽深です。

私は自動車メーカーで19年にわたってデザインと商品企画の仕事に携わりました。企業ではOJT(オンザジョブトレーニング)といって、実務を通じて、先輩や周りの方々から経験に基づいた知識やノウハウを学ぶ機会が多く、私も様々な新車開発プロジェクトを担当する中でもの造りの知識と経験を身に付けました。

大学では教科書や参考書に基づいた座学を中心とした授業、また資格取得などを目指す学びがあります。こちらも大切ですが、その一方で企業が行うOJTのように世の中にある企業や団体が抱える実際の課題をテーマに、検討し課題解決に取り組む授業があります。これを問題解決型学習(PBL型授業)といいます。

私はライフデザイン学科でデザイン企画分野の教員を担当しておりますが、特にデザインや商品企画の分野においては、現実的でリアリティのある時代に沿ったテーマを通じた学びが授業に対する学生のモチベーションや学びから得る知識や経験に繋がると考えており、多数取り組んでいます。

今回の教員ブログでは、令和4年度後期に私が行った3つのPBL型授業を紹介をさせて頂きます。


①ライフデザイン・コンピテンシーⅡd

寺町京極商店街振興組合と連携し、商店街の魅力の発掘とSNSでの発信に加え、商店街の活性化に繋がる課題解決について、学生の視点でテーマを決定・検討して商店街に報告しました。

学生の提案のなかに、普段慣れ親しんだ商店街なのに、授業を通じて時間をかけてじっくり真剣に観察をしたり、普段入りにくいお店に入り店主の方からお話を伺った結果、商店街の新しい魅力に気づく事が出来た。その経験から、地元の学生と商店街を繋ぐ方策として、幅広い層を対象とした産学連携の授業を実行するという提案がありました。

確かに視点や行動が変わると今まで見えなかった事に気づく事があります。今回の学生は授業を通じた学びをきっかけに、自分が生活する街に潜む「魅力」を発見するだけでなく、そのプロセスを提案する点が面白いと感じました。




②商品企画論

下鴨にあるスーパーマーケット、フレンドフーズと連携し、若い世代のお客様にもっと来てもらう方策について検討し報告しました。商品が良いのは判っている。普通のお店で買えない物がたくさん揃っているのも判っている。ではどうやって若者の足をお店に向かわせるかについて、さまざまな提案が出ました。

その中で「今の若い世代の人は、どんなシーンなら、いつもより少し多めにお金を払っても良いと思うか」という切り口の提案がありました。女子大生の財布の紐が緩むシーンは、友達の家で行う鍋バーティー、ちょっとおしゃれなカフェ、食べる時期が限定される季節の果物を使用したスイーツの3つ。これらをスーパーマーケットに来てもらう機会と結び付けた提案が面白い提案と結びつきました。

授業の様子はフレンドフーズが提供するnoteにも掲載頂いております。ぜひこちらのページにもアクセスをしてください。

https://note.com/friendfood_kyoto/n/ncc9aa280e0ff



③ユーザー体験価値デザインⅠ

創業明治25年。京都市にあるお菓子の製造・販売を行う青木光悦堂と連携し、高齢者施設、デイサービスなどを対象としたお菓子のデリバリー販売に関して、高齢者施設を利用される方々の視点でお菓子の新商品やお菓子と一緒に楽しむレクリエーションについて、ユーザーの嬉しい体験・楽しい体験を提案しました。

コロナ禍で実際に高齢者施設へ調査に訪れる事が難しいなか、学生はYoutubeを使って様々な高齢者施設の日々の仕事やレクリエーションに関する知見を集めました。この授業を行うまで知りませんでしたが、日々のレクリエーションのアイデアに困る高齢者施設が多いようで、少し検索するとたくさんの動画にたどり着きます。学生は集めた情報をもとに、デイサービスにおいて高齢者の方の気持ちを理解したうえで、楽しみとしているおやつの時間の過ごし方について9コマシナリオとして体験をマンガで表現しました。

提案はもちろん、今の時代、様々なツールを使う事で、実際に訪れたり体験できないことでも、それに近い情報を集めることができる事を学びました。



最後に、寺町京極商店街との取り組みについて、2月18日(土)に京都府商工労働観光部が主催する京都商店街創生フォーラム2023にライフデザイン学科の1年生が登壇して授業の活動を報告します。烏丸の京都経済センターで行います。一般の方も参加できますので、興味がある方は学生の発表を聞きに来てください。学生が登場するのは第3部「京都内外における商店街・若者・事業者によるプレゼンテーションや活動紹介」です。

https://syoutengai-c.com/topics-article/20230218sf/