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教員ブログ

LDCⅡeの授業から

こんにちは。フード分野担当の濵田です。

LDC
(ライフデザイン・コンピテンシー)Ⅱの授業は、「社会と交わる」を目的に、地域の方々と交流しながら課題について学ぶ授業です。eクラスは右京区京北地域で野生動物の鹿が森林や田畑を荒らすために駆除されている現状について学びます。授業の中心は2つあり、1つは現地のフィールドワーク、もう1つは鹿肉調理実習です。今回は調理実習の様子をお伝えします。

学生は1年生15名。学生自ら、現地で鹿肉の解体・販売をしている方と連絡を取り鹿肉を購入。お肉の特徴がよくわかるように、ロース肉、もも肉、すね肉、ミンチ肉の4種類を購入し、4グループがそれぞれレシピを考えて実際に調理実習しました。

出来上がりはこの写真。すね肉のおでん、もも肉の青椒鹿肉絲、ハンバーグ、ロース肉のローストディア丼、それぞれに調理方法や味付けに学生さんの工夫がみられました。すね肉は筋膜をとったり筋をはずしたり下ごしらえが一番大変でした。一度ゆでこぼした後圧力鍋でお肉を柔らかくしてから煮込みました。青椒鹿肉絲は切って塩こうじにつけてから炒めました。ローストディア丼では、太い棒状のロース肉をローストした時、中まで火が通っていて、しかも加熱しすぎてかたくならないように気をつけ、ほどよい仕上がりになりました。ハンバーグは大きい方は豚ミンチと鹿ミンチが半々、小さい方は鹿肉100%、食べ比べをしました。

 学生さんたちは鹿肉に触るのも食べるのも初めてという人がほとんどでした。鹿肉は鉄分が多くて脂身がないため赤黒い色をしているので、最初は少し気持ち悪かったと思いますが、みんな鹿肉調理を楽しみながら実習しました。鹿肉は野性味あふれる風味があります。試食では4種類の部位の違いなども確かめながら、おいしくいただきました。どの料理もおいしかったですが、一番人気は青椒鹿肉絲でした。

昨今「ジビエ料理」と呼ばれて注目されつつありますが、この授業は、ただ鹿肉を食べるだけが目的ではありません。地域の被害やその対策について学び、人間にとって害獣とされて駆除された鹿の命について感じ考えてほしいと思っています。「いただきます」の本当の意味を肝に銘じる授業です。

 

ハンバーグ 右側が鹿肉100%。噛み応えあり。

 

背ロース肉 長さ60㎝ほどあります。

 すね肉の下処理。筋膜やすじをのぞきます。とても全部きれいにはとれません・・・