ニュース

教員ブログ

私の推しは、藤井厚二先生です!

インテリア分野の授業を担当しております、郭 雅雯です。

19才の若い女子短大生から、「先生の推しは誰ですか?」と聞かれたことがあります。
「私の推しは、藤井厚二先生です。」と答えると、「誰!?」と、不思議そうな顔をします。

先日、「住生活概論」と「インテリアデザイン論」の学外見学を行い、受講生を連れて藤井先生が設計した自宅である「聴竹居」に行きました。「聴竹居」は、私は学生時代から何度も行ったことがありますが、何回行っても飽きないくらい、思いを込めて設計された素晴らしい住宅です。藤井先生が設計した住宅について語ると、いつも「日本人より詳しいですね」と褒められます。今回は少しこの「聴竹居」について紹介します。

聴竹居」(1928年)は、建築家の藤井厚二先生が京都大学で研究した環境工学の成果を生かし5回目の自邸として設計した住宅です。日本の気候風土に合わせて自然の力を巧みに利用することで、環境との共生を図ると共に、日本人のライフスタイルに西洋的な空間構成を融合させた近代住宅建築の名作です。藤井先生は、「一番身近な建築・住宅の理想形は、真に日本の気候・風土にあった、日本人の体に適している建築・住宅である」という考えのもとに、日本の気候風土に適合した住宅の在り方を考察するために、自邸を実験住宅として建てたようです。日本の夏を涼しく健康に暮らす工夫がなされています。しかも、建物だけではなく、家具、照明、造り付け棚なども細部にこだわって自らが設計したものがたくさんあります。

学生も興味津々に話を聞いてメモを取るなど、現物を見て回り空間の雰囲気を感じながら、その「環境共生住宅の原点」とも言われる当時の最先端のモデル住宅のデザインとその住まいについて学べることができたと思います。

興味ある方は、ぜひ、見に行ってください。