
2026年8月21日、京都光華大学社会学部社会共創学科の土居淳子教授と平松隆円准教授が、タイ王国・バンコクにある教育・研究関係機関を訪問しました。
今回訪問したのは、日本学術振興会(JSPS)バンコク研究連絡センター、日本学生支援機構(JASSO)バンコク日本国際教育交流情報センター、国際交流基金バンコク日本文化センター、Sophia Global Education and Discovery Co., Ltd.(Sophia GED)の4機関です。
土居教授は、本学の副学長および国際交流センター長も務めています。
今回の訪問は、8月22日・23日にバンコクで開催される日本留学説明会「Study in Japan Fair #54」への参加にあわせて実施したもので、タイをはじめとする東南アジアとの教育・研究交流や、社会共創学科の学生が海外で学ぶ機会をさらに広げることを目的としています。
「地域と世界」をつなぐ社会共創学科
社会共創学科では、「共創」を合言葉に、多様な人々のアイデアや強みを掛け合わせ、誰もがよりよく生きられるWell-Beingな社会の実現を目指しています。社会学を基盤として、経営、心理、文化、データサイエンス、ITなどを分野横断的に学び、社会の課題を発見し、解決へと導くための考え方や方法を実践的に身につけます。
企業、自治体、NPO、地域の人々とともに社会課題に取り組むことも、社会共創学科の大きな特徴です。しかし、これからの社会課題は、一つの地域や一つの国だけで完結するものではありません。
人口問題、観光、環境、教育、ビジネス、文化、デジタル化など、多くの課題が国境を越えてつながっています。そのため社会共創学科では、「地域と世界」を結び、異なる文化や価値観を持つ人々と協働できる力を身につけることも重要だと考えています。
日本学術振興会バンコク研究連絡センターを訪問
日本学術振興会(JSPS)バンコク研究連絡センターでは、大谷吉生センター長を訪問しました。日本学術振興会は、研究者への研究助成や国際学術交流などを通して、日本の学術研究を支える機関です。バンコク研究連絡センターでは、タイをはじめとする東南アジア地域と日本の研究交流を支援しています。
意見交換では、タイに拠点を置く日本の大学の活動状況や、タイの大学・研究機関との学術交流などについて情報を共有しました。また、在タイ大学等連絡会(JUNThai)についても説明を受けました。JUNThaiは、タイに海外拠点などを持つ日本の大学を中心に構成され、日本の大学や関係機関がタイでの教育・研究活動について情報交換を行うネットワークです。
社会共創学科では、学生の教育だけでなく、教員による海外研究者との共同研究や国際的な研究ネットワークづくりも進めていきます。

JASSOで「日本留学」の今を知る
続いて、日本学生支援機構(JASSO)バンコク日本国際教育交流情報センターを訪問しました。同センターは、タイで日本留学に関する情報提供や相談を行い、日本への留学を希望する学生と日本の大学・教育機関をつなぐ役割を担っています。
今回の訪問では、タイの学生が日本留学にどのような関心を持っているのか、日本の大学を選ぶ際にどのような情報を求めているのかなどについて情報交換を行いました。
社会共創学科では、タイをはじめとする海外からの留学生を受け入れ、日本人学生と外国人学生がともに学ぶ環境づくりを進めています。異なる国や文化で育った学生が同じ教室で学び、互いの考え方に触れることも、「共創」を学ぶ大切な機会です。
国際交流基金でタイの日本語教育について情報交換
国際交流基金バンコク日本文化センターでは、タイにおける日本語教育や、日本語を学ぶ若者の状況について情報交換を行いました。国際交流基金は、日本語教育、日本文化の紹介、国際的な文化交流などを行う公的機関です。バンコク日本文化センターでも、日本語教師への研修や日本語教育支援、日本文化を紹介するさまざまな事業を展開しています。
京都光華大学では、日本語を母語としない人に日本語を教える国家資格「登録日本語教員」を目指せる「日本語教員養成プログラム」を設けています。本プログラムは、文部科学省に登録された登録日本語教員養成課程です。所定のプログラムを修了すると、登録日本語教員の資格取得に必要な日本語教員試験のうち「基礎試験」が免除されます。その後、登録実践研修機関で実践研修を修了し、「応用試験」に合格することで、登録日本語教員の資格取得を目指すことができます。
プログラムを構成する日本語教育の専門科目の多くは、社会共創学科に設置されています。日本語や日本文化が好き、海外で働いてみたい、外国の人に日本語を教えたい・・・・・・。そのような興味を、国家資格や将来の仕事につなげられることも、社会共創学科で学ぶ魅力の一つです。
Sophia GEDと海外研修プログラムについて意見交換
最後に訪問したのは、Sophia Global Education and Discovery Co., Ltd.(Sophia GED)です。Sophia GEDは、上智大学が出資し、タイ・バンコクを拠点として活動する教育・研修事業会社です。
東南アジアをフィールドとしたスタディーツアー、海外フィールドプログラム、海外インターンシップ、オンライン国際教育など、大学生や高校生を対象とした実践型の国際教育プログラムを数多く展開しています。
今回は、取締役・現地事業統括責任者の新江梨佳氏から、Sophia GEDがこれまで実施してきた大学生向けスタディーツアーや海外研修について紹介いただきました。土居教授、平松准教授からは、社会共創学科の教育内容やWell-Beingをテーマとした学びについて説明し、今後、社会共創学科の学生がタイをはじめとする東南アジアで学ぶ海外研修プログラムの可能性について意見交換を行いました。
海外に行くことが目的ではない。「海外で何を学ぶか」
社会共創学科が目指しているのは、単に「海外へ行く機会を増やすこと」ではありません。重要なのは、海外という異なる社会や文化の中で、どのような課題を発見し、現地の人々とどのように対話し、何を学び取るかです。
例えばタイには、日本とは異なる観光、ビジネス、教育、福祉、文化、宗教、ライフスタイルがあります。現地を訪れ、自分の目で見て、人と話し、日本との違いや共通点を考えることによって、教室だけでは得られない学びが生まれます。
日本では当たり前だと思っていたことが、海外では当たり前ではない。その気づきから、新しい発想が生まれることもあります。これは、多様な人々の考えを組み合わせ、新しい価値を生み出す「社会共創」そのものです。
京都から世界へ、世界から京都へ
社会共創学科では、京都という地域を学びのフィールドとしながら、視野を世界へ広げていきます。
京都の地域課題を世界の事例から考える。海外で見つけたアイデアを京都のまちづくりに生かす。日本の文化を海外へ発信する。海外の文化や価値観を学び、日本の社会をあらためて見つめ直す。
「地域」と「世界」は、別々のものではありません。今回のバンコク訪問で築いた教育・研究機関とのつながりを生かし、京都光華大学社会学部社会共創学科では今後も、学生が多様な文化や価値観に触れ、世界の人々と協働しながらWell-Beingな社会を共創できる力を育む教育を進めていきます。



