ニュース

授業活動

この世とあの世の端境で。

こんにちは。京都光華大学短期大学部ライフデザイン学科教員の久世奈欧です。

ここはどこでしょう?!

看板に、「心せよ、ここは六道の辻と聞く踏み違えつつ行くな冥土へ」と書かれています。踏み間違えて冥土に行かないように気をつけろ、ここは「六道の辻」だ、という意味です。穏やかならぬ歌ですね。これは、看板にもある通り、延宝6年(1678)に書かれた浅井了意の『出来斎京土産』に掲載されている歌です。

六道とは仏教の教義でいう地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道の六つで、魂はこの六道を輪廻転生していると言われます。「六道の辻」とは、六道への道の交差点、のような意味合いです。

 

さて、この看板が置かれているのは、京都市東山区六道珍皇寺の門です。ここは京都の葬送地として有名な鳥辺野の入り口にあたります。鳥辺野に葬られる御遺体と最後の別れをするのがこの場所と言われていました。そのためこの辺りは、この世とあの世の端境という意味で「六道の辻」と呼ばれました。このお寺の周辺には、幽霊子育飴本舗みなとやさんや、檀林皇后の九相図で知られる西福寺など、「六道の辻」に相応しい雰囲気のある場所が並んでいます。

 

本学の「サブカルチャー論」では、今年も六道珍皇寺の御住職にご協力いただき、現地見学を行いました。御住職にお寺やこの地域の歴史をお話しいただき、小野篁が地獄へ通った井戸や閻魔像・小野篁像、参詣曼荼羅・地獄絵など貴重な寺宝を見学させていただきました(地獄通いの井戸については以前のブログで詳述)。

今年の見学では、地獄通い井戸を見張るために置かれた猿の像や、境内のお岩大明神など、知らないと見過ごしてしまうようなところについても解説を頂き、学生たちも感心しきりでした。書物や情報だけではわからない、現地ならではの雰囲気や空気感を感じ、圧倒されたという声も聞かれました。

 また、本寺では水みくじも人気で、学生たちは水に浮かべるおみくじに一喜一憂して楽しんでいました。



学生たちからは、「歴史的な事実と伝説が結びついて伝わっており、この場所で人々の死生観や信仰が受け継がれてきたことを実感した。」「怪談や伝説は単なる作り話ではなく、人々の信仰や歴史、文化と深く関わっていることも学ぶことができた。」というような感想が出ていました。

六道珍皇寺では、これからお盆前に精霊迎え(六道まいり)の時期になります。京都に残る少し涼しくなれるスポット、夏にぜひ訪れてみてください。