京都光華女子大学 短期大学部 ライフデザイン学科 学生ブログ 「てまりのかんざし」が京都の和装総合メーカーから高い評価を受けました ライフデザイン学科2年 M.H

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「てまりのかんざし」が京都の和装総合メーカーから高い評価を受けました ライフデザイン学科2年 M.H

temari_12年生後期、小山先生の「ライフデザイン総論Ⅱ」の授業で、色打掛のデザイン企画を行いました。私たちが考案したデザインは、京都の和装総合メーカーに提案しました。そしてそのときに、私が制作した「てまりのかんざし」を色打掛と一緒に販売するのはどうですか?と提案させていただきました。





temari_2てまりは綿に糸を何重にも巻き、地割りという印をつけた後に刺繍をした直径3センチほどの球体で、その制作は私の個人的な趣味から始まりました。もともと、ものづくりが趣味で、本屋さんで手まりの本を見つけ作り始めました。コロコロとかわいいてまりでしたが、使い道がないので作るだけ作ってただ置いているだけでした。





temari_5「色打掛のデザインだけでなく、色打掛に合う小物や髪型、メイクなど、何か自分の興味があることも提案しましょう」と授業で先生が話をされたのをきっかけに、このてまりを授業に持っていったら、先生も「ぜひ提案しよう」と言ってくれました。すると、メーカーの担当の方からも高い評価をいただき、「ぜひ販売してみたい」と言われたときの驚きは忘れられません。







しかし手作りであるてまりは、作るのに1つ3~4時間かかってしまい、量産ができないということが問題点でした。それでもなんとか販売したいという想いが一致し、貸衣装店などの企業向けに開かれる3日間の展示会で展示していただけることになりました。展示会に向け、担当の方は販促のためのポスターを作ってくださり、とても励みになりました。


かんざしポスター  かんざし制作工程


temari_3糸は、色打掛に使う同じ絹糸を提供していただき10点のてまりと、それぞれのてまりに付ける房飾りであるタッセルを制作しました。絹糸は細く、柔らかく、絡まりやすかったり糸の撚(よ)りがほつれてしまったりと、想像以上に扱いにくく、制作時間が通常の倍ほどかかってしまいました。しかし、普段作る趣味のものではなく商品であること、付加価値の高い手作りの商品であることから手抜きは絶対にしない!と決め、何度もやり直したり、納得のいかない出来のものは諦めたりしました。



temari_4短い期間での制作はとても大変でしたが、10点を完成させ並べて見たときの達成感、先生と関係者の皆さんのリアクションはどれもうれしいものばかりで、それまでの大変さは全て喜びに変わりました。展示会でも取引先から好評だったそうで、とてもうれしくて安心しました。そして今後の量産の手段を考えたいというお言葉もいただき、どのように取り組んでいくかを検討していきたいです。






今回、趣味でしていたことが大きなチャンスへと繋がり、とてもうれしい結果となりました。そして、生きている中で無駄なことは本当にないと感じました。「好きなことを続け、何かがチャンスに変わり、そしてチャンスが訪れたときにいかに自分の力を発揮できるか」ということを学び、これからの自分の進路に自信がつきました。この先もさまざまなことに挑戦し、継続し、チャンスをつかめるように努力していきたいです。

先生のコメント

小山先生

今回は授業でのちょっとしたきっかけで、このようなチャンスを生かせたのも、M.Hさんが日頃から自分の夢や目標に向かってコツコツと努力していたからです。

それに、やってみようというチャレンジ精神と行動力があったためです。プロフェッショナルにも認められたオリジナリティあるデザイン力と高い技術力に自信を持って、自分の決めた進路に進んでいってください。「てまりプロジェクト」の今後の進展が楽しみです!