京都光華女子大学 短期大学部 ライフデザイン学科 学生ブログ 「京の伝統文化を創る」の授業で落語について学びました! ライフデザイン学科1年 Y.W

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「京の伝統文化を創る」の授業で落語について学びました! ライフデザイン学科1年 Y.W

「京の伝統文化を創る」の授業で、4回!落語について学びました。この度、講師として来てくださったのは、桂文也さんという落語家の方です。落語というと、私の中では「難しいもの」「お年寄りの方が聞くもの」「昔のお話」「オノマトペが多く使われているもの」という印象でした。

そんな思いの中、早速1回目の授業から落語を披露してくださいました。『時うどん』という間抜けな男の失敗談です。聞いてみるとあら不思議、私たちは自然と笑顔になり声を出して笑っていました。この噺、題名通りうどんが出てくるのですが、文也先生の仕草は、本当にうどんを食べているかのようでした。



例えばすすり方、箸を持っているぞという姿。落語というのは落語家の1つ1つの動きや表情から場面を想像して見るもので、文也先生は実際そこにうどんがあるかのように魅せていたのです。これがまたすごいんです!ぜひ皆さんにも見ていただきたい!!私もうどんをすする仕草に挑戦させていただきましたが、そう簡単にはいきませんでした。特に音を出すのが難しかったです。



1人芝居であるがために行われる1人2役、3役…。これも見事で、そしてそこが本当におもしろい!落語には、右と左それぞれ顔を向けて話すことで、上(かみ)と下(しも)の関係ができます。その技法を使った掛け合い。内容はネタバレになるので言いませんが、気になる人はぜひ調べてみてください。他にも、『青菜』『京の茶漬け』『崇徳院』『はてなの茶碗』を披露していただきました。

 


そして、自分たちでも小噺や『ラグビー』がお題のなぞかけに挑戦しました。1人1人、出囃子に乗って登場しては考えてきたものを発表します。考えてきたものに対して一言必ず反応をしてくださる文也先生。とてもありがたかったです。そんな文也先生が時には「もう1つないの?」「1週間あったしまだあるやろ?」という振りがありましたが、そうした言葉で場がとても和みました。

私は、なぞかけでは「ラグビーとかけて」「採れたての根菜」とときました。その心は、「どちらも泥だらけでしょう」です!小噺の方は「かっこいいお姉さんがいたから声をかけてみたの。あなた粋ですね?」「……いえ、帰りです」以上!こちらは、粋(行き)と帰りをかけています。この後、もう1つないのかと言われたので長いのを1つ話させていただきました。とても楽しかったです。


最初のイメージがガラリと変わった落語。私たちでもおもしろく見られるものであり、言葉は昔のものを使うので少し難しいときもあるかもしれませんが、内容の流れや落語家の動きに注目すると楽しめるものです。落語とは、今の漫才と同じようなものでした。私たちはどうやら食わず嫌いをしていたようです。本当におもしろいので、ぜひ見て聞いてほしいです。絶対落語の世界に魅せられるので!プロの方の落語を間近で見られて、とても充実した授業でした。桂文也先生、本当にありがとうございました!

先生のコメント

今回お世話になりました 落語家として活躍されている 桂文也さん からコメントをいただきました。

今回落語の誕生からその変遷や楽しみ方まで350年の歴史をざっと4コマの講義で伝えると言う神業を成し遂げた落語家の桂文也です。

テレビの画面から時代劇が消え、さらに若い人たちがテレビを見なくなり、世間には数多のエンタメが渦巻く昨今、その中で辛気臭い、古めかしい、わかりにくい古典落語なんて演芸が若い世代にどう響くのかを知る事は我々のサバイバルをかけた課題でもあります。

今回学生たちは短い講義の中で想像力の翼を広げて350年間娯楽の中心にあった落語の世界におそらくほんの一瞬足を踏み入れてくれたものと確信しております。願わくば、この爪痕が日本の文化への関心、さらに自発的寄席通いに繋がるようにと一縷の望みを持っております。それでは皆さま、いつか高座でお会いしましょう。