2026.10.13 わたしたちの毎日

「好きなファッション」をビジネスの視点で考える!株式会社iDAの講師から業界の現在と新規事業を学びました



「ファッションが好き」。その興味を、大学ではどのように学問やビジネスにつなげることができるのでしょうか。

2026年10月13日、京都光華大学社会学部社会共創学科の平松隆円准教授が担当する、キャリア形成学部キャリア形成学科2年生のゼミに、ファッション・アパレル・コスメ・ビューティー業界に特化した人材サービスを展開する株式会社iDA(アイ・ディ・エー)から、キャリアデザイン講師の梶原麻未氏をお招きしました。

今回の特別授業では、ファッション業界の現状やブランドビジネス、新しいサービスの展開、企業が新規事業に取り組む理由などについて、実際の業界を知る立場からお話しいただきました。

実在する企業に「新しいビジネス」を提案する


平松ゼミでは、2026年度後期のプロジェクトとして、ファッション関連企業への新規事業提案に取り組んでいます。
対象となるのは、京都や大阪に実在する企業です。

学生たちは、企業について調べ、その企業が現在どのような商品やサービスを提供しているのか、どのような顧客に支持されているのか、どのような強みや課題を持っているのかを分析します。

そのうえで、この企業だからこそできる新しい事業は何か、どのような顧客の困りごとを解決できるのか、既存の商品やブランドの強みを、別の価値へ発展させられないかといった問いを考えながら、新しい商品やサービスを提案していきます。

自分の好きなものを自由に考えるだけではなく、企業の特徴、市場、顧客、収益性などを踏まえて、実現可能なアイデアへと磨き上げていくことが今回の課題です。

「かわいい」「おしゃれ」から一歩先へ


ファッションは、多くの学生にとって身近な存在です。
毎日の服選びでは、かわいい、かっこいい、自分に似合う、今っぽいといった感覚を大切にしている人も多いでしょう。しかし、ビジネスとしてファッションを考える場合は、それだけではありません。

誰に向けたブランドなのか、どのくらいの価格なら購入してもらえるのか、競合するブランドと何が違うのか、店舗・EC・SNSなどをどのように組み合わせるのか、一度購入してくれた顧客とどのように長期的な関係を築いていくのかなど、商品そのものだけでなく、こうした仕組み全体を考える必要があります。

今回の授業は、学生たちが普段「消費者」として接しているファッションを、「ビジネスをつくる側」から考える機会となりました。



ブランドを「ポジショニングマップ」で考える


授業では、ファッションブランドのポジショニングマップを作成するワークショップにも取り組みました。
ポジショニングマップとは、価格、デザイン、テイスト、ターゲットなどの基準を使って複数のブランドを配置し、それぞれが市場の中でどのような位置にあるのかを可視化する方法です。

学生たちは、UNIQLO、H&M、CHANELなど日頃から目にする機会の多いブランドに加え、ファッションだけでなくフレグランスなどでも知られるMaison Margielaなどを取り上げました。

実際のブランドを地図のように配置していくと、普段は感覚的に捉えていたブランド同士の違いが見えてきます。学生たちは、ブランドとはたんにロゴや商品デザインの違いではなく、価格、顧客、世界観、店舗、広告などを組み合わせながら、市場の中に独自の位置をつくっていることを学びました。

「一度売る」から「長く選ばれる」へ


授業では、近年のマーケティングで重要な考え方の一つである「LTV」についても紹介していただきました。
LTVは「Life Time Value」の略で、日本語では「顧客生涯価値」と訳されます。一人の顧客が企業やブランドとの関係を続ける中で、どれだけの価値をもたらすのかを考える指標です。

たとえば、一度だけ商品を購入してもらうことだけを考えるのではなく、またこのブランドで買いたい、新しい商品も見てみたい、このお店なら安心して相談できると思ってもらい、顧客との関係を長く続けていくことを考えます。

ファッションやコスメのビジネスでも、単に新しい顧客を集めるだけではなく、既存の顧客と継続的な関係を築くことが重要になります。

「モノ」だけでなく「体験」をどうつくるか


そこで重要になるのが、商品そのものを販売するモノの発想だけではなく、商品を通してどのような体験を提供するかという視点です。

たとえば、服を販売するだけではなくスタイリングの相談ができるサービスを組み合わせる、化粧品を販売するだけではなくその人に合った使い方を体験できる機会をつくる、実店舗とオンラインを組み合わせ購入後も顧客との接点を持つ。こうしたサービスによって、ブランドとの関係は一度商品を買って終わりではなくなります。

学生たちは、新規事業を考える際にも、何を売るかだけでなく、どのような価値や体験を提供するのかという発想が重要であることを学びました。

なぜ企業は新規事業に挑戦するのか


企業には、すでに商品やサービスがあります。
それでも、なぜ新しいビジネスに挑戦するのでしょうか。

市場や消費者の価値観は変化します。デジタル技術の発展、人口構造の変化、環境問題への意識、働き方や生活スタイルの変化などによって、これまで支持されてきた商品やサービスが、そのまま将来も支持され続けるとは限りません。だからこそ企業には、自社が持つ強みを生かしながら、新しい顧客、新しい市場、新しい価値を生み出していくことが求められます。

今回の授業を通して学生たちは、新規事業とは単に「これまでにない面白いものを考えること」ではなく、社会や顧客の変化を捉え、企業の強みと結びつけて新しい価値を生み出すことだと学びました。



実社会の専門家から学ぶ平松ゼミ


平松准教授の専門は、化粧心理学、化粧文化論、ブランド戦略論、新事業創出です。
ゼミでは、教員から知識を学ぶだけでなく、実際に企業や社会の現場で活躍する専門家を積極的に招き、学生がリアルな仕事やビジネスに触れる機会を設けています。

今回も、ファッション・コスメ業界に詳しい株式会社iDAの講師から直接話を聞くことで、教科書だけでは分からない業界の動きや、企業が現場で何を考えているのかを知ることができました。大学で学んだ理論と、社会の現場で起きていることを結びつけて考える。それが、実践的な学びにつながります。

学んだことを「提案」として社会へ返す


平松ゼミが大切にしているのは、話を聞いて勉強になったで終わらせないことです。
今回学んだブランドのポジショニング、LTV、顧客体験、新規事業の考え方などを生かし、学生たちはこれから京都・大阪の企業について調査し、新しいビジネスを考えていきます。

調査した情報を整理し、課題を発見し、アイデアを考え、相手に伝わる形で提案する。そして、可能であれば実社会からフィードバックを受け、さらに改善する。こうした一連のプロセスを経験することで、学生たちは企画力だけでなく、調査力、分析力、プレゼンテーション力、コミュニケーション力も身につけていきます。



社会共創学科へつながる「好き×ビジネス×社会」の学び


今回紹介したのは、キャリア形成学部キャリア形成学科2年生のゼミですが、こうした実践型の学びは、平松准教授が所属する社会学部社会共創学科の教育にもつながっています。

社会共創学科では、社会学を基盤に、経営、心理、文化、データサイエンス、情報、デザインなどを分野横断的に学びます。身近な関心から社会を読み解き、人や企業と協働しながら新しい価値を生み出す。京都光華大学では、そうした学びを大切にしています。

新規事業提案プロジェクトはこれから本格化


今回の特別授業で得た知識をもとに、平松ゼミの学生たちは今後、実在するファッション関連企業の調査と新規事業の企画を本格化させます。

学生たちがどの企業に注目し、どのような課題を発見し、どのような新しいビジネスを提案するのか。今後のゼミ活動にも、ぜひご注目ください。




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