2026.02.27 ぼうさいらぼ

【大学生・新社会人向け】防災ポーチに入れるべきアイテム7選-外出先・デート中に被災したらどうする?

大学生や新社会人の皆さん、デート中に地震が来たら、あなたは大切な人を守れますか?
自分のためにも、パートナーのためにも、中身にこだわった「防災ポーチ」をどこへ行くときも持ち歩くようにしましょう。

ところで、M!LKさんの『好きすぎて滅!』という曲?言葉?が最近バズってますよね。滅って何やねん、と思って調べたら「好きすぎて自分の存在が消えてしまう!」という意味らしいです。でも、そう感じている時点で自我は確かにそこにあるわけで、存在している状態と消えている状態が重なり合ってるってこと??シュレーディンガーのサトウですこんにちは。忙しすぎて滅!

「好きすぎて滅」はロマンチックですが、「備えなくて滅」はただの後悔です。大切な人を守れる自分でいるために、今日は防災ポーチに入れるべきアイテム7選を解説します。

この記事でわかること
こんな人におすすめ!
  • 「防災って家でやるもの」と思っている方
  • 新生活(通学・通勤)が始まったばかりの方
  • 「お金をかけずにできる防災」を探している方

災害に対する「自覚」と「行動」のギャップ

まず最初に質問です。あなたが災害時にWell-beingな状態でいる(災害時でもより良い生活を送る)ために責任を負うのは誰だと思いますか?—この質問には「自分自身かなぁ」と答える方が多いと思います。

では次の質問です。あなたは災害に対する備えを行っていますか?—この質問には「いいえ」と答える方が多いと思います。これから分かるように、人には災害に対する「自覚」と「行動」のズレがあるんです。

カナダの大学生を対象とした調査では、1つ目の質問には7割が「自分自身」と答えたにも関わらず、2つ目の質問、緊急時対応キットを所有していた学生は3割に満たなかったことが報告されています(Tanner and Doberstein, 2015)。河田・舩木(2004)は日本の大学生の防災意識を調査し、4割〜半数の大学生が「何も備えを行っていない」との結果を報告しています。

「自分で何とかしなきゃ」と思っていても、行動が伴っていないことが多いんですね。

私のブログをたくさん読んで頂いている方は、防災リュックを準備されているかもしれません。「家に防災リュックがあるから取りに帰ればいいのでは?」と思っていませんか?

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確かに近場の出先で被災したなら有効かもしれません。しかし今回の記事で想定しているのはデートです。少し遠出したときに被災したらどうしますか?一般的に帰宅距離が20kmを超えると帰宅困難者と見なされる場合が多く、首都直下地震でもそのような条件でシミュレーションが行われています(内閣府, 2021)。京都市を基準とすると、西は大阪府高槻市、東は滋賀県草津市あたりで20kmを超えます。このあたりから通学している本学の学生も多く、デートだけでなく通勤・通学でも「20km」がいかに身近かが分かって頂けると思います。

防災に対する自覚:「自分で何とかしなきゃ」
防災に対する行動:備えていない場合が多い ←ここでギャップ発生
帰宅することの甘さ:デート先では帰宅困難になることも

だからこそ、この記事では出先でも常に持ち歩く「防災ポーチ=0次の備え」が重要ということをお伝えしています。

「0次の備え」という考え方

備えとしての防災グッズは大きく分けると3種類があります。

0次の備え:普段からの携行品 ← 今回お話しするのはこれです
1次の備え:非常用持ち出し袋
2次の備え:備蓄品
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このブログではこれまで1次・2次の備えを中心に紹介してきましたが、実は「0次の備え」が一番使う頻度が高い可能性があります。なぜなら、災害はいつも家にいるときに起きるわけではないからです。

東日本大震災(3.11)の発災時刻:14:46
令和6年能登半島地震の発災日時:1月1日 16:10
南海トラフ地震や首都直下地震が昼間の時間に起こる確率は決して低くありません。
「外出先で被災したとき、自分と大切な人の身を守れるか」—この問いに今日から答えを用意しておきましょう。

サトウが厳選!防災ポーチに入れるべき7種類のアイテム

若い方のバッグ、小さいですよね。サトウは知ってます。ですのでサトウが防災ポーチの中身として選ぶポイントは3つです。「軽い」「コンパクト」「100円ショップで揃う(または普段から持っているもの)」。マルティネスら(2022)が行った防災ポーチによる防災教育の実践例なども参考に7種類のリストを作成しました。特別なものは何もいりません。今日から始められます。

1 スマホ関連:モバイルバッテリー(小型・5,000mAh程度)

外出先での被災で一番困ることのひとつが「スマホの電池切れ」です。安否確認・避難経路の確認・災害情報の収集——スマートフォンはすべての情報源です。充電が切れた瞬間、あなたは情報難民になります。

防災ポーチ用には大容量でなくていいです。5,000mAhあればスマホ約1〜1.5回分充電できます。薄型・軽量タイプを選べばポーチに余裕で入ります。熊本地震で被災した大学生への調査(仲里ら, 2018)でも「準備していてよかったもの」の第1位にスマホ充電器が挙げられています。

ワンポイントアドバイス!
「家に大容量バッテリーがあるから」は外出先では意味がありません。ポーチ用に小型のものを1台、専用で用意してください。
2 命をつなぐもの:ホイッスル

地味に見えて、命に直結するアイテムです。建物の倒壊や土砂崩れで身動きが取れなくなったとき、声を出し続けるのには体力の限界があります。ホイッスルなら少ない力で大きな音を出し続けられ、救助隊に発見されやすくなります。

100円ショップで購入できます。キーホルダータイプにしてカバンのファスナーに付けておくと、ポーチを取り出さなくても使えます。

ワンポイントアドバイス!
「まさか自分が閉じ込められるなんて」と思うかもしれません。でも阪神・淡路大震災では、家屋の倒壊や家具の転倒を原因とする窒息・圧死が死因の約8割を占めています。外出先での倒壊リスクをゼロと思わないでください。
3 病気・ケガ対策:常備薬・痛み止め+絆創膏

普段から薬を飲んでいる方(花粉症・喘息・持病など)は、1〜2日分を必ずポーチに入れておいてください。外出先で被災すると、家に帰れない・薬局が開いていない・避難所でも薬の入手は困難、という状況になります。これは一人暮らしの方が特に陥りやすい盲点です。

持病がない方も、イブプロフェンやロキソプロフェンなどの痛み止めを1シート(数百円)入れておくと安心です。避難生活中の頭痛・腰痛・生理痛にも対応できます。また、絆創膏は傷をそのままにしておく感染症リスクを防ぐためにも必須です。

4 衛生用品:マスク+ティッシュまたはウェットティッシュ

避難時の衛生管理は非常に重要です。断水が起きると手を洗えなくなります。トイレ後・食事前の除菌ができるかどうかは感染症リスクに直結します。避難所では季節によってインフルエンザ・ノロウイルスなどの感染症リスクが高まる傾向にあります。ウェットティッシュは除菌タイプを選びましょう。

5 携帯トイレ

私のブログを読んで頂いている方はトイレの重要性は十分ご存知ですね。外出先では公衆トイレが使えなくなる状況も想定されます。自分と相手の分、2つだけでも携帯トイレを入れておくようにしましょう。100円ショップでも手に入ります。

6 高カロリーの携行食

外出先で被災すると、すぐに食料が手に入るとは限りません。コンビニや飲食店は閉店・売り切れになります。

飴を数個、チョコレートを数かけら。これだけでも体力・精神力の消耗に大きな差が出ます。低血糖による判断力の低下を防ぐためにも少量の糖分は重要です。かさばらず長期保存が利くものを選び、賞味期限だけ定期的に確認してください。

7 緊急連絡先カード

「スマホがあるから連絡先はそっちで」—その考え、危ないです。スマホが壊れた・電池切れ・ロックが解除できない状態のとき、あなたの家族の電話番号を暗記していますか?ほとんどの方が即答できません。

緊急連絡先カードには、家族・友人・かかりつけ医・血液型・アレルギー情報を書いておきましょう。100円ショップのラミネートカードに手書きしてポーチに入れておくだけでいい。

ワンポイントアドバイス!
カードには「自分が意識を失ったとき、誰に連絡してほしいか」まで書いておくと、救助してくれた方への情報になります。

防災ポーチの選び方

中身が揃ったら、入れる「ポーチ」も選びましょう。

サイズ

ペンケース〜ポーチ程度(A6サイズ前後)

素材

防水または撥水タイプ

目立つ色(赤・オレンジ)だと緊急時に取り出しやすい

まとめ:今日から「カバンの中に防災を」

防災ポーチに入れるべき7種のアイテムをもう一度確認しましょう。

今回のポイント
  1. スマホ関連:モバイルバッテリー(小型)
  2. 命をつなぐもの:ホイッスル
  3. 病気・ケガ対策:常備薬・痛み止め+絆創膏
  4. 衛生用品:マスク+ティッシュまたはウェットティッシュ
  5. 携帯トイレ
  6. 高カロリーの携行食
  7. 緊急連絡先カード

多くのものが100円ショップで揃います。全部で2,000円もかかりません。

そして最後にもう1種追加します。それは「これだけ準備したんだ!」という自信=自己効力感(Self-efficacy)です。この感情が災害への備えや行動に良い影響を与えるのは多くの研究から明らかになっています(Bandura, 1997 など)。まずはポーチを買うことで、少しだけの自信がきっとつくはずです。

「ちょっと防災」、今日から始めてみてください。

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Author

サトウ先生|博士(工学) / 防災士
京都光華女子大学 社会学部 社会共創学科
「専門知識を、わかりやすく身近に。」これまで数々の自然災害を目の当たりにしてきた実体験をもとに、防災に関する大学での講義や地域での講演を行っている。南国出身のため雪にはとっても不慣れで、京都での最大の災難は大雪のときに滑ったことだと思っている。摩擦係数の計算は得意だが、雪道の滑りやすさは計算外だった。だが、その失敗さえも防災の教訓に変えてしまうのが私のスタイルだ。実に面白い。
本ブログの趣旨と免責事項

このブログは、学生や地域の皆様が防災の基本を体系的に学べる「オンライン防災教本」を目指して、本学教員である筆者の研究・教育成果に基づき作成しています。
実際の災害時は現場の状況に応じた柔軟な判断が求められます。記事に含まれる情報の活用は読者の皆様の判断と責任において行っていただきますようお願い申し上げます。また、記事の内容は大学の公式な見解や推奨を意味するものではありません。なお、記事に含みうる誤りに関する一切の責任は筆者に帰属します。

参考・出典
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