京都光華女子大学 短期大学部 ライフデザイン学科 学生ブログ 「ライフデザイン特論」で虎屋菓寮を見学しました ライフデザイン学科2年 S.I

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「ライフデザイン特論」で虎屋菓寮を見学しました ライフデザイン学科2年 S.I

726日(木)「ライフデザイン特論」の授業で、今出川にある「虎屋菓寮 京都一条店」に見学に行きました。虎屋は、室町時代後期に創業し、後陽成天皇の在位中から御所の御用達(ごようたし)として和菓子屋を営み、羊羹(ようかん)で全国的に有名になったお店です。明治の東京遷都(せんと)にともない、京都の店はそのままに東京にも進出したために、虎屋を東京発祥のお店だと思っている人も多く、私もこちらでお話をお伺いするまでは、京都が創業だと知りませんでした。


虎屋は、京都のデパートに販売店を含め7店舗ありますが、今回、見学させていただいた「虎屋菓寮 京都一条店」は、京都御所にほど近い烏丸通に面した「とらや 京都一条店」から、西に少し入った静かな町並みに位置しています。この地は少なくとも寛永5年(1628年)から店を構えていたことが分かっており、虎屋創業の地と考えられています。菓寮では、季節ごとの表情を楽しめる広いお庭や、江戸時代からのお蔵などを眺めながら甘味が楽しめますが、併設の「虎屋 京都ギャラリー」でお話をお伺いしました。


まず、和菓子の歴史、虎屋の歴史や羊羹へのこだわりなどを紹介した約30分の映像を見せていただき、虎屋 文化事業課の相田さんから虎屋の歴史や羊羹の作り方、ブランド維持のための苦心などのお話をお聴きしました。






虎屋の歴史は、他の老舗(しにせ)同様に苦難も多く、特に終戦後の材料不足による菓子製造は難しく、代わりに喫茶店事業に進出したとのことです。その時期を乗り越えて、今日の虎屋があるのですが、顧客のニーズに合わせて商品を微妙に変えているけれど、「少し甘く、少し硬く、後味良く」のコンセプトを変えないことが、ブランドを維持し続けている秘訣だと思いました。


その後、虎屋の羊羹(夜の梅)と季節の羊羹(水の宿)を試食させていただきました。虎屋の羊羹は少し硬めに作られているのですが、程よい甘さと硬さですごくおいしかったです。季節の羊羹は、寒天ともち米で作られており、見た目も涼しげで新しい感覚でした。最近では、年配の方でもお召し上がりいただけるように、柔らかい羊羹(ゆるるか)を販売していたり、「あん」を気軽に楽しめるように、「TORAYA CAFÉ」というお店もオープンしているそうです。


今回、お話をお伺いして、ブランドを維持していくための大変さや工夫を知りましたが、やはり、大切なのは商品への「こだわり」だとあらためて感じました。この体験を通して、和菓子をより深く味わうことができるかなぁと思っています。




先生のコメント

井川先生

実は、虎屋のブランドイメージづくりに知人のアートディレクターが深く関わっていることもあり、よく知っているつもりでしたが、今回説明をお聴きして、あらためて虎屋の伝統、商品へのこだわりを知り、先生にとってもたいへん勉強になりました。

虎屋は京菓子司の流れをくみながら、御殿場にたいへん大きな工場も構える菓子メーカーに成長しています。京都を訪れた人が、東京の土産に虎屋の羊羹を持ってきたという笑えない話があり、このブランドがどのようになっていくのか注目したいですね。