みなさんこんにちは。
歯科衛生学科の辻野です。
1.はじめに
前回の記事では、お寿司の形態とネタの調理方法の2つの基準で整理しました。

図1 お寿司の分類(形態と調理方法)【前回作成】
今回は、前回とは違う基準で整理して、表形式にまとめました。さて、前回よりも分かりやすくなったでしょうか?

図2 お寿司の分類(形とネタ)【今回作成】
2.「お寿司」について
「お寿司」には、にぎり寿司以外に、巻き寿司や押し寿司などいろいろな種類のお寿司があります。
また、寿司種(すしだね、いわゆるネタ)には、流行や移り変わりがあります。
回転寿司が浸透して利用者の年齢層が広がり、だんだんと寿司ネタの種類が増えました。
例えば、「サーモン」です。今と違って、生食できる「サーモン」が流通していませんでした。
また、「肉」を使った寿司も、以前はありませんでした。
今回は、お寿司の「ネタ」の多様性が際立つように、お寿司を整理していきます。
3.情報収集
「お寿司」の情報は、次の書籍・ウェブで収集しました。
3.1 イラスト
お寿司とその他のイラストは、いつものように「いらすとや」で収集しました。
・いらすとや,https://www.irasutoya.com/
あらゆるお寿司のイラストがあるわけではありませんが、全体の統一感を重視して「いらすとや」のイラストだけを使いました。
3.2 書籍
お寿司の歴史、種類や整理する基準を考えるために、次の本を参考にしました。
・藤原昌髙著,「プロもビックリ!!すし図鑑ミニ」、マイナビ出版、2018年
・阿部秀樹(写真・文、福地享子(監修)、「食いねぇ! お寿司まるごと図鑑」、偕成社、2023年
3.3 回転寿司
実際にどんなお寿司が食べられているのかは、大手回転寿司チェーンのメニューを調べました。
・魚べい(https://www.uobei.info/)
・かっぱ寿司(https://www.kappasushi.jp/)
・くら寿司(https://www.kurasushi.co.jp/)
・スシロー(https://www.akindo-sushiro.co.jp/)
・はま寿司(https://www.hama-sushi.co.jp/)
4.情報整理
今回も、2つの基準でお寿司を分類して、表を作成しました。
ひとつ目は、前回と同じ「形」です。ふたつ目は、ネタの「生物分類」を使いました。
4.1 形で整理
まず前回と同じように、お寿司の種類を「にぎり」・「巻き」といった「形」で分類しました。

図3 形の分類
細かく分けすぎると、表が複雑になって分かりにくくなるため、まず「握り寿司」・「巻き寿司」・「押し寿司」・「丼」の4種類に分け、
「巻き寿司」に「太巻き」・「細巻き」・「手巻き」・「軍艦巻き」・「裏巻き」を含めました。
また「棒寿司」は「押し寿司」に含め、「ちらし寿司」は「丼」に含めました。
「握り寿司」よりも「にぎり寿司」の方が一般的な表記であるため、表では「にぎり寿司」に変更しました。
4.2 ネタで整理
次に、寿司ネタの生物に注目して、種類(生物分類)で整理しました。
生物分類としての正確さよりも、分かりやすさを優先しました。
このため、寿司ネタに使っていない分類グループは省略して、できるだけ簡単にしました。
魚が一番多いのですが、ひとつにまとめました。

図4 ネタの生物分類
図4の一番上にある[真核生物]は、すべての動物と植物を含む分類群です。
細胞の中に核膜で包まれた核を持ち、その中に遺伝子であるDNAを格納しています。
この細胞を真核細胞といい、体が真核細胞でできている生物が真核生物です。(この図では、植物と動物以外の「真核生物」は省略しました。)
「動物」は、受精卵から細胞分裂を繰り返して、だんだん体ができあがります。
その発生の初期に「原口」というものができます。
この「原口」が口になるのが「旧口動物」で、「原口」の反対側に口ができるのが「新口動物」です。
「旧口動物」の中で、寿司ネタに使っているグループは、「軟体動物」と「節足動物」です。
「軟体動物」には、「二枚貝類」「腹足類」「頭足類」が含まれます。
「二枚貝類」は、上下2枚の貝殻を持つ貝で、ホタテ以外には、アサリ、シジミなど多くの種類がいます。
「腹足類」は、巻貝です。
アワビは片方の殻がなくなった二枚貝のように見えますが、巻貝です。
その他に、サザエ、バイガイなどがいます。
「頭足類」の代表例のイカ・タコは、進化の過程で殻を失った貝です。
イカの甲は、貝殻が変換したものです。
「節足動物」の最大の特徴は、外骨格です。
エビとカニの仲間が寿司ネタに使われます。
「棘皮動物」は、ウニの他にはヒトデやナマコが含まれます。
ウニで食べているのは、精巣と卵巣です。
「脊椎動物」の特徴のひとつは、脊椎(背骨)です。
図4では、「両生類」と「爬虫類」を省略しています。
「魚類」は、「脊椎動物」の中では最大のグループで、3万種以上が含まれます。
「鳥類」は、恐竜の子孫です。
昔は、鶏卵だけを使っていましたが、今はニワトリやカモの肉も使われているようです。
最後は、「哺乳類」です。
ブタやウシはその中の「鯨偶蹄目(くじらぐうていもく)」に分類されます。
以前は、ブタとウシが含まれる「偶蹄目」と、クジラとイルカが含まれる「鯨目」は別々の目(もく)でした。
遺伝子を詳しく解析することができるようになって、目(もく)同士の類縁関係が判明し、ひとつの目として統合されました。
「植物」は、もっと細かく分類できるのですが、お寿司で使う種類が少ないため、「植物」として1つにまとめました。
さらに、生物分類の正しさよりも、一般的に理解しやすいほうが良いので、次のように表記を変更しました。
二枚貝類 → 二枚貝、腹足類 → 巻貝、頭足類 → イカ・タコ、
甲殻類 → エビ・カニ、ウニ類 → ウニ、魚類 → 魚、
鳥類 → 鳥、哺乳類 → 肉、

図5 ネタの生物分類(変更後)
表にまとめる際は、青地に白文字の分類項目を採用しました。
また、表では「魚介類」という言葉を使いました。
この言葉は、特定の生物分類を意味するのではなく、水産物の総称です。
図5の[動物]から「鳥類」・「哺乳類」を除いた範囲です。
5.情報表現
お寿司の「形」と「ネタ」の2つの分け方を使って、表形式でまとめました。
アプリ:Microsoft PowerPoint
フォント:BIZ UDPゴシック,Segoe UI
イラスト:いらすとや(https://www.irasutoya.com/)

ネタの分け方に、追加したものがあります。
それは、「卵巣・精巣」と「いろいろ」です。
「卵巣・精巣」は、魚の卵巣と精巣なのですが、「魚」に含まれるお寿司の数が多いことと、特徴的なネタであるために、「魚」と分けることにしました。
「いろいろ」には、複数や様々なネタを使っているものや、種類が多いものをまとめました。
「サーモン」と「炙りサーモン」のように、同じネタでも複数の調理方法があります。
今回は調理方法には触れないため、「炙り○○」は表から省きました。
「炙り○○」を含めると数が多くなりすぎて、表が見にくくなったことも、省いた理由のひとつです。
6.おわりに
みなさんは、回転寿司で最初に食べるネタは何ですか?
「回転寿司に関する消費者実態調査2025(マルハニチロ調べ)」によると、「回転寿司に行った際に、最初に食べることが多いネタ」の1位はサーモンです。

図6 回転寿司に行った際に、最初に食べることが多いネタ[単一回答形式]
過去の記事
私が教員ブログで書いた記事へのリンクを挙げておきます。興味がある方はぜひご覧ください。
- 魚を情報デザインする(1)「タラの食べ方」
- 魚を情報デザインする(2)「魚の卵の使い方」
- 魚を情報デザインする(3)「お寿司のネタと生物学」
- 魚を情報デザインする(4)「サーモンってどんな魚?」
- 魚を情報デザインする(5)「お寿司の組立図」
- 魚を情報デザインする(6)「イクラの生物学」
- 魚を情報デザインする(7)「サーモンはメスの方が大切」
- 魚を情報デザインする(8)「魚卵でお正月!」
- 魚を情報デザインする(9)「サケ目からアユがいなくなった」
- 魚を情報デザインする(10)「お寿司の分類」
