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卒業研究のご紹介⑦~中木~

 みなさま、こんにちは。中木です。今日は、今年度私が取り組んだ卒業研究のテーマについてご紹介します。

 私はこれまでに、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが代謝や摂食に及ぼす影響について、ラットを使って研究してまいりました。本学に着任してからは、研究対象をヒトにシフトし、「女性の月経が食・栄養・運動に与える影響に関する研究」をテーマとした研究に着手しています。

 卒業研究では、2017・2018年度は「女子大学生を対象とした月経周期に伴う味覚・食行動の変化と月経前症候群との関連」、2019年度は「女子大学生長距離陸上選手の「利用可能エネルギー不足」の現状と月経およびコンディションに及ぼす影響」について、健康スポーツ栄養専攻4年生の学生とともに調査・実験をしてまいりました。

 今年はコロナの影響があり、対面での実験は難しいということで、「月経前症候群 (premenstrual syndrome; PMS)の現状と味覚・食嗜好・食欲に関する調査」と「月経周期における下痢・便秘症状の出現と生活習慣の影響に関する調査」のテーマで調査研究を実施しました。

 みなさんは、月経前症候群 (premenstrual syndrome; PMS)という言葉をご存知でしょうか?

 月経前に身体のどこかが痛んだり、憂鬱な気分になったり、眠たくなったり、お腹がすいたり…といった経験はありませんか?これらはもしかすると「PMS」かもしれません。

 女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンは、女性の心身に様々な影響を与えることが知られており、PMSは月経周期に伴うエストロゲンとプロゲステロンの変動によって引き起こされると考えられていますが、詳しいことはよくわかっていません。

 そこで今年度の研究では、女子大学生を対象に、PMSの現状について調べることにしました。また、体重の増減にかかわる項目として、月経前と月経中でお腹が空いたり、甘いものが食べたくなったりする人の割合は変化するのか、便秘や下痢の症状のあらわれ方についても調査しました。

 結果として、月経前に「食欲が増進する」と回答した人が多く、排便状況については月経中に「おなかがゆるくなる」人が多いことがわかりました。

 今回の結果が、女性の体重管理を考えるうえでの一助となるよう、今後も研究を続けていきたいと思います。女性の健康について、みなさんと一緒に考え、研究できることを楽しみにしております。