2026.07.29 ぼうさいらぼ

【支援者向け】令和8年熊本地震:ボランティアに行く前に確認したいこと

ニュースを見て、いてもたってもいられなくなった方もいると思います。

「今すぐ現地に行って力になりたい」という気持ちは、とても大切なものです。ただ、その気持ちを一番良い形で届けるには、少しだけタイミングを考える必要があります。今日、車に乗り込む前に、まずはこの記事を読んでください。

この記事でわかること
こんな方へ
  • 今すぐ現地に向かい、力になりたいと思っている方
  • 何か力になりたいが、何をすればいいかわからない方
  • 過去に災害ボランティアの経験がある方
シリーズ記事 一覧・まとめ
熊本県で震度7の地震:今すぐやるべきこと完全ガイド →

県知事からの要請と、支援の妨げになる理由

【7月30日更新】熊本県知事が「当面の自粛」を要請しました

熊本県の木村敬知事は7月30日、今回の地震を受けてボランティアを希望する方に対し、「当面は被災地入りを自粛してほしい」と明確に呼びかけました。「受け入れの態勢が整ってから来てほしい」とも述べています。今すぐ現地へ向かうことは、控えてください。

熊本県社会福祉協議会は7月29日、県レベルでの調整組織である「熊本県災害ボランティアセンター」を開設しました。これは情報の集約や市町村への支援を行う組織です。

【7月31日更新】益城町で、市町村レベルのセンターが開設・受付開始

益城町社会福祉協議会は、実際に個人ボランティアを受け入れる「益城町災害ボランティアセンター」を開設し、申し込みの受付を開始しました。ただし、この記事を書いている時点で、市町村レベルのセンター開設が確認できているのは益城町のみです。他の被災自治体(八代市・宇城市・氷川町・嘉島町など)では、まだ対応を進めている段階です。「どこか1つの自治体で始まった=どこでも活動できる」ではない点に注意してください。

益城町災害ボランティアセンター(益城町社会福祉協議会)はこちら →

発災直後の数日間、被災地では道路状況の確認や安全確保、そして「どこに・どんな支援が必要か」というニーズの把握が最優先で進められています。この段階で、計画を持たない個人が一斉に現地へ向かうと、緊急車両の通行を妨げたり、宿泊先や燃料・水などの限られた資源を分け合う相手が増えてしまったりすることがあります。

2016年熊本地震のとき

2016年の熊本地震では、「熊本市災害ボランティアセンター」が開設されたのは本震から約1週間後のことでした。受け入れ体制が整うまでの期間があるのは、そのときに限った話ではなく、災害支援の一般的な流れです。

今、力になりたいという気持ちは、決して無駄になりません。少しだけ、活かし方を変えるタイミングです。

今、現地に行かなくてもできる支援

受け入れ体制が整うまでの間も、力になれることがあります。

信頼できる窓口に寄付する

すでにYahoo!ネット募金やREADYFORで、現地で活動するNPO・団体を通じた寄付の受け付けが始まっています。個人で物資を送るより、被災地のニーズに応じて使い道を調整できる寄付の方が、現地の負担になりにくい支援方法です。

「募金詐欺」に注意する

日本赤十字社・熊本県による公式な義援金は、この記事を書いている時点ではまだ受付が始まっていません。ニュースで話題になっている今は、偽の振込先を装う「募金詐欺」が最も増えやすいタイミングでもあります。義援金の口座情報は、必ず日本赤十字社の公式サイトや熊本県の公式発表で確認し、案内が出るまでは振込を控えてください。

正確な情報を広める

SNSでの発信自体も一つの支援です。ただし、確認が取れていない情報を広めることは、かえって現地の混乱を招きます(詳しくはこちらの記事もあわせてご覧ください)。

現地に向かうつもりがある方は、待っている間に「ボランティア活動保険」への加入を済ませておくことをおすすめします。加入手続きは、居住地に一番近い社会福祉協議会の窓口で行うのが基本です(現地に到着してから手続きしようとすると、現地の負担になります)。

お住まいの、または向かいたい自治体の最新情報はこちらで確認できます
熊本県災害ボランティア情報(熊本県社会福祉協議会、各自治体の状況を随時更新)
被災地支援・ボランティア情報(全国社会福祉協議会)

「行く」タイミングの見極め方

それでも現地で直接活動したいと考えている方は、次のタイミングを待ってください。

地元の社会福祉協議会・自治体が「災害ボランティアセンター」の開設を発表してから

開設後は、必要な人数・作業内容・持ち物などが具体的に公開されます。

ボランティアの募集条件を確認してから

交通手段・宿泊・食料を自分で用意する「自己完結」が基本です。事前に確認してから向かうことで、あなた自身が支援を必要とする側になることを防げます。

焦って今日・明日動かなくても、支援は十分間に合います。

今できること
熊本県知事も呼びかけている通り、今日は「行く」ではなく「備える」日にしてください。信頼できる窓口への寄付や、正確な情報の共有から始めてみましょう。現地に向かうかどうかは、募集が始まってから考えても遅くありません。
あわせて読みたい
【必読】令和8年熊本地震:デマを拡散しないために確認したいこと
情報を広める前に確認したいこと

まとめ

今回のポイント
  • 熊本県知事が7月30日、ボランティアの当面の自粛を公式に要請した
  • 県レベルの「熊本県災害ボランティアセンター」は7月29日に開設済み。益城町では市町村レベルのセンターも開設され、受付が始まっている
  • 今は、信頼できる窓口への寄付や、正確な情報の共有という形で力になれる
  • 現地に向かうつもりがあるなら、待っている間にボランティア活動保険への加入を済ませておく
  • 現地での活動は、市町村の災害ボランティアセンターの開設と募集要項を確認してから

力になりたいという気持ちは、被災地にとって何よりの支えです。その気持ちを、今一番役立つ形で届けてください。

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Author

サトウ先生|博士(工学) / 防災士
京都光華大学 社会学部 社会共創学科
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このブログは、学生や地域の皆様が防災の基本を体系的に学べる「オンライン防災教本」を目指して、本学教員である筆者の研究・教育成果に基づき作成しています。
実際の災害時は現場の状況に応じた柔軟な判断が求められます。記事に含まれる情報の活用は読者の皆様の判断と責任において行っていただきますようお願い申し上げます。また、記事の内容は大学の公式な見解や推奨を意味するものではありません。なお、記事に含みうる誤りに関する一切の責任は筆者に帰属します。ボランティア募集・寄付の受付状況は変化するため、必ず各団体・各自治体の最新の公式発表をご確認ください。

参考・出典
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