2026.07.28 ぼうさいらぼ

【被災者向け】令和8年熊本地震:帰宅困難の方にいま確認してほしいこと

職場や外出先で今回の地震に遭い、電車やバスが止まったまま動けずにいる方。家族と連絡が取れず、いてもたってもいられない方。

「もう歩いてでも帰ろう」と思っているなら、動き出す前に3分だけ、この記事に目を通してください。今の状況で歩いて移動することには、思っている以上のリスクがあります。

この記事でわかること
こんな方へ
  • 職場・外出先で被災し、電車やバスが止まっている方
  • 今すぐ歩いて帰ろうか迷っている方
  • 家族と連絡が取れず、焦りを感じている方
シリーズ記事 一覧・まとめ
熊本県で震度7の地震:今すぐやるべきこと完全ガイド →

交通状況(鉄道・高速道路)

【7月30日更新】九州新幹線、博多〜熊本間は31日始発から運転再開

JR九州は7月30日、九州新幹線の筑後船小屋〜熊本間について、安全が確認されたとして31日の始発から運転を再開すると発表しました。上りは熊本駅6時08分発博多行き、下りは博多駅6時42分発熊本行きから運転再開し、1時間に1〜2本程度、各駅に停車する形での運行です。山陽新幹線との直通運転は行われません。

ただし、熊本〜鹿児島中央間は31日も終日運休が続きます。こちらの区間は復旧に時間がかかる見通しです。ご自身が利用する区間がどちらに当たるか、必ず確認してください。

高速道路は、南九州道 田浦IC〜水俣ICなど一部区間で道路開放が進んでいますが、他の区間では依然として通行止めが続いている箇所もあります。バス・タクシーも、地域や時間帯によって遅れや運休が発生しています。状況は日々変わっているので、思い込みで判断せず、必ず最新情報を確認してください。

最新の交通状況はこちらで確認できます
JR九州 運行情報(熊本エリア)
NEXCO西日本 リアルタイム交通情報

利用したい区間がまだ動いていない場合は、「動けるようになるまで、今いる場所で待つ」という選択肢を、まず頭に入れておいてください。

今、歩いて移動するのは危険です

「早く帰りたい」という気持ちはよくわかります。ですが、大規模地震の直後の道路には、余震による建物倒壊、ブロック塀の崩落、断線した電線、段差やひび割れなど、目に見えにくい危険が数多くあります。気象庁も、今後1週間ほどは最大震度7程度の地震に注意するよう呼びかけています。高速道路の路面に段差や隆起が確認された箇所もあり、一般道でも同様のリスクが潜んでいる可能性があります。

あわせて読みたい
「家族が心配」でもすぐ動かない:帰宅困難者が歩き出す前に確認したい「感情ヒューリスティック」
歩き方・帰宅計画の詳細はこちら

「帰るか・待つか」を判断する3つの基準

歩いて移動を始めるかどうかは、感情ではなく、次の3つが揃っているかで判断してください。

① 揺れが落ち着いていること

頻繁に余震が続いている間は、屋外を移動すること自体にリスクがあります。

② 安全な道が確認できていること

自治体や交通機関の公式情報で、通れる道・危険な箇所を確認してから動き出しましょう。

③ 体力が十分にあること

空腹・睡眠不足の状態で長距離を歩くのは危険です。特に夜間の移動は、危険箇所が見えにくくなるため避けてください。

3つとも揃っていないなら、今は「待つ」判断が正解です。

待っている間にできる3つのこと

安否確認をする

電話がつながりにくいときは、災害用伝言ダイヤル「171」やSNS、LINEの安否確認機能を使いましょう。「今どこにいて、無事であること」だけ伝われば十分です。

情報を集める

交通機関の公式サイト・自治体の防災情報を定期的に確認しましょう。スマートフォンのバッテリーを消耗しすぎないよう、確認は数十分おきで十分です。

今いる場所の安全を確認する

建物に亀裂・傾き・異臭がないか確認し、非常口の場所を把握しておきましょう。周囲の人と声をかけ合うことも、いざというときの助けになります。

今できること
まずは家族に「無事でいる」ことだけ伝えてください。帰宅はそのあとで大丈夫です。焦って歩き出す前に、今いる場所で少し待つという選択肢を思い出してください。
あわせて読みたい
災害用伝言ダイヤル「171」の使い方を今すぐ練習すべき理由:SNSがあるから要らない、は大間違い!
171の使い方はこちら

まとめ

今回のポイント
  • 九州新幹線は博多〜熊本間が31日始発から運転再開。ただし熊本〜鹿児島中央間は31日も終日運休
  • 「早く帰りたい」という気持ちが、危険の見積もりを誤らせることがある(感情ヒューリスティック)
  • 歩き出す判断基準は「揺れが落ち着いた・安全な道が確認できた・体力が十分」の3つ
  • 待っている間は、安否確認・情報収集・今いる場所の安全確認に集中する

「待つ」ことは、何もしていないことではありません。大切な人のもとへ、安全にたどり着くための選択です。

この記事もおすすめ

被災者向け
今、この助け合いの空気を大切にしてほしい理由 →
要配慮者への気配りと、共助の大切さ
全員必読
「地震雲」に科学的根拠はない →
信じるか広めるかは別問題です
支援者・家族向け
心配でも、電話をかけすぎないでほしい理由 →
通信障害と輻輳、今できる安否確認の方法
被災者向け
空き巣と点検商法にご注意ください →
自宅を離れる前に確認したい防犯のポイント
被災者向け
情報格差を生まないための「共助」 →
アナウンス・掲示だけでは届かない人がいます

Author

サトウ先生|博士(工学) / 防災士
京都光華大学 社会学部 社会共創学科
本ブログの趣旨と免責事項

このブログは、学生や地域の皆様が防災の基本を体系的に学べる「オンライン防災教本」を目指して、本学教員である筆者の研究・教育成果に基づき作成しています。
実際の災害時は現場の状況に応じた柔軟な判断が求められます。記事に含まれる情報の活用は読者の皆様の判断と責任において行っていただきますようお願い申し上げます。また、記事の内容は大学の公式な見解や推奨を意味するものではありません。なお、記事に含みうる誤りに関する一切の責任は筆者に帰属します。交通機関・道路の状況は日々変化するため、必ず各社・各自治体の最新の公式発表をご確認ください。

参考・出典
一覧に戻る