「大きな地震が来たら避難所に行く」それはわかった。では、避難所に着いたあと、何をすればいいか知っていますか?受付の手順、共同生活のルール、ペットの避難、在宅避難との使い分け。避難所に「たどり着く」ことと、避難所で「生活を始める」こととは、まったく別の話です。
わたし、「海外旅行あるある」を経験したことがあります。真冬の北米に行ったときのこと。もう極寒、吹雪の中ホテルに向かっていました。もうすぐ着く…、やっと着いた!安堵の中フロントに名前を告げると「お前の名前で予約は入っていない」
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↑リアルでこの顔文字のようになったサトウですこんにちは。いや、めっちゃ交渉して入れてもらいましたけどね!予約してたし!
これも良い勉強で、「お前の名前で予約は入っていない」と言われたときに何をすればいいのかを学びました。災害のときも一緒で、避難所に着いた後に何をすべきか、何に気をつけたらいいかの知識は持っておくことが大事です。この記事で一緒に学んでいきましょう。
- 避難所に「たどり着く」ことしか考えていなかった方
- 避難所のルールを一度も考えたことがない方
- 在宅避難と避難所避難、どちらにすべきか迷っている方
避難所に着いたら最初にやること
避難所に到着したら、まず受付に向かいます。受付では氏名・住所・人数・要配慮者(高齢者・障がい者・乳幼児・妊婦など)の有無を伝えます。これが避難所への「入所手続き」です。
なぜ受付が必要なのか
避難所の運営者(市町村・自主防災組織)は、何人が避難しているかを把握して、物資・スペース・人員を管理します。受付を通らないと、物資の配給対象に含まれない場合があります。
注意:大規模な地震等で非常に混乱している状況では、受付は後回しになることもあります。これは、避難所の管理よりも命の安全を確保することが優先されるためです。ただしその場合でも、落ち着いた段階で必ず受付を済ませましょう。
受付後にやること
- 割り当てられたスペースを確認する
- 避難所内のトイレ・給水場所・充電スポットの場所を確認する
- 避難所のルール説明(張り紙・掲示板)を読む
- 貴重品は常に手元に置く
避難所の「共同生活のルール」
避難所は「見知らぬ人同士が同じ空間で生活する場所」です。自宅とはまったく違う環境です。以下のルールは、多くの避難所で共通して設けられています。「知らないと他の避難者との関係に影響する」ルールに着目して紹介します。
消灯時間・起床時間がある
避難所には「消灯22時・起床6時」のような時間ルールが設けられることが多いです。昼夜逆転の生活や、深夜の大きな声・スマホの光が周囲の睡眠を妨げます。共同生活であることを忘れずに、お互いに配慮しましょう。
携帯電話・スマホの使用マナー
充電スポットが限られているため、長時間の独占使用は禁止されるケースがあります。また、通話は所定のスペースで行うよう指定されることもあります。他の避難者の個人情報が映り込む写真・動画の撮影は原則禁止です。
ゴミの分別・清掃ルール
避難所内の衛生管理は全員の健康に関わります。ゴミは指定の場所に捨て、担当区域の清掃は自分たちで行うのが原則です。「誰かがやってくれる」は通用しません。
飲酒・喫煙のルール
多くの避難所では飲酒・喫煙は禁止または所定の場所のみ許可されます。子どもや非喫煙者への配慮として、受動喫煙防止は特に厳しく運用される傾向があります。
プライバシーの確保
大規模な避難所では、段ボールパーテーションや間仕切りが設けられることもあります。ただし初期はスペースが確保されていないことも多く、「隣との距離が近い」状況を前提に行動してください。
「土足禁止」ルール
発災直後の混乱した状況の中では、普段靴を脱いで入っている施設でも靴を履いたまま出入りしてしまうことがあります。衛生管理上好ましくないため、土足禁止ルールをきちんと守るようにしましょう。自分の靴の管理も怠らないようにしてください。
ペットは人間と同じ避難スペースに入れないことが多い
ペットとの避難には「同行避難」と「同伴避難」という2つの考え方があります。よく混同されるため、ここで整理しておきましょう。
- 同行避難:飼い主がペットとともに安全な場所へ避難すること
- 同伴避難:飼い主とペットが同じ避難所等で過ごすこと
注意が必要なのは、「同伴避難」=「飼い主とペットが同じ避難所の敷地内にいる」ということです。「飼い主とペットが同じスペースで過ごす」という意味ではありません。
避難所は共同生活の場のため、飼い主とペットが同じスペースで過ごすことを許可していない避難所が多いのが現状です。ペットは避難所内の別の部屋、もしくは屋外の専用スペースでの管理が基本です。
参考:兵庫県動物愛護センター「ペットの災害対策」
在宅避難との使い分けを今考えておく
避難所に行くべきか、自宅にとどまるべきか。これは「どちらが絶対的に正しい」という話ではなく、「自分の状況に合わせて判断する」ものです。
在宅避難が選択肢になる条件(すべてを満たす場合)
- 自宅が安全で、倒壊・浸水のリスクがない
- 1週間以上の食料・水・トイレの備蓄がある
- ライフラインの復旧まで自宅で過ごせる健康状態にある
- 停電している場合、エアコンなしで過ごしても問題ない気候である
避難所を選ぶべき状況
- 自宅が倒壊・損壊・浸水している
- 自宅での生活継続が困難(ライフライン停止・備蓄不足)
- 一人での生活に不安がある(高齢・持病・乳幼児など)※福祉避難所への避難を優先的に検討してください
2026年時点で、政府がマンション居住者に対して在宅避難を促す指針策定に着手したとの報道がなされています(産経新聞, 2026年5月6日)。特に人口が集中する都市部においては、条件が揃えば在宅避難も有力な選択肢です。
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避難所生活を少しでも楽にするための持ち物
防災リュックの基本に加えて、「避難所での共同生活」を想定した持ち物があると格段に快適になります。
- 耳栓・アイマスク:消灯後も明るく騒がしいことが多い
- スリッパ:体育館の床は冷たく、裸足では衛生面でも問題がある
- 携帯用ウェットティッシュ・除菌シート:洗面・手洗いが制限される
- 折りたたみ式クッション・座布団:硬い床での長時間生活を緩和
- 現金(小銭含む):自販機・近隣の店舗が使える場合に必要
- 常備薬・処方薬(最低1週間分):避難所では入手困難
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まとめ
- 避難所に「着く」ことと「生活する」ことは別の話。受付・ルール確認・スペース把握が最初のステップ
- 消灯時間・スマホマナー・清掃・禁煙など、共同生活のルールは多くの避難所で共通している
- 在宅避難と避難所避難の使い分けを、今のうちに考えておく
- 耳栓・スリッパ・ウェットティッシュなど、避難所生活を想定した持ち物を備えておく
「避難所に行けば何とかなる」という思い込みを手放し、「避難所でどう生活するか」を今のうちにイメージしておく。それだけで、いざというときの消耗度が変わります。
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このブログは、学生や地域の皆様が防災の基本を体系的に学べる「オンライン防災教本」を目指して、本学教員である筆者の研究・教育成果に基づき作成しています。
実際の災害時は現場の状況に応じた柔軟な判断が求められます。記事に含まれる情報の活用は読者の皆様の判断と責任において行っていただきますようお願い申し上げます。また、記事の内容は大学の公式な見解や推奨を意味するものではありません。なお、記事に含みうる誤りに関する一切の責任は筆者に帰属します。
