地域の健康に働きかける
「よりそいを科学する」基幹研究
〜人と社会によりそう
京都光華ならではのユニークな研究〜
オンラインツールで、いつでもどこでもスキルアップ。
食品重量見積もりトレーニングツールの開発
食事という観点から健康を支援する管理栄養士・栄養士に必要なのが、食品・料理の重量から栄養価を推定するスキル。そこで健康栄養学科では、食品・料理の写真を見て重量を見積もる訓練をいつでも・どこでも・繰り返しできるオンラインツールを開発しています。若い女性を対象に実施した食事調査から、よく口にしている食品・料理をデータベース化。出現率の高いものを実際に調理・撮影し、ツールに挿入します。この工程は教員の指導の下、卒業研究として学生が行っています。今年度は新たに40~60代の人々に食事調査を実施。学生が卒業後に食事指導をすることの多い年代のケースで訓練を積むことで、実践力を養い、即戦力となることを目指しています。今後は、医療現場で患者として出会う方々だけではなく、地域で生活している住民の方々の健康状態の向上にも寄与したいと考えています。食事調査を切り口に、地域住民が必要としている支援を理解し、実施することを目指しています。
自分の動きをセンサーで評価。
より緻密なフィードバックで体の使い方を体得する
看護や介護を行う際の体の使い方を習得するためには、統一された基準における公平な評価が必要になります。看護学科と富士通(株)が協同し、自身の補助動作を動画で撮影するだけで、画面上にフィードバックが表示されるシステムの開発に取り組んでいます。背骨やからだの角度、足の開き方、重心の取り方などを、センサーを使ってデータ化。現在は点と線で表示されるデータを3D化して評価することを目標としています。システムは他大学や大学院生とも協同して試作を重ね、学生が自己学習用に判定ができるシステムの導入も検討しています。技術の自己評価が可能になれば、介護を行う家族が自宅で訓練をすることも可能。地域の看護・介護を支えることにつながります。将来的には看護を担う家族や労働者への教育、大学や専門学校での教育、臨床の場での活用を目指しています。
これまでなかった幼児期のシミュレーター。
より実際に近い状況で訓練するための装置を作る
現在、看護の教育現場で使用されている小児のバイタルサイン(体温、脈拍、呼吸など)測定のための練習用シミュレーターは、新生児を想定したものがほとんど。しかし、実際に大学の小児看護学実習で接するのは1~3歳ごろの幼児のため、授業での訓練と実習先での実践内容がかみ合わないことが多々あります。その状況を解決するため、看護学科の教員と(株)京都科学が協働し、幼児期を想定したシミュレーター開発に取り組んでいます。人形の体の大きさや骨格、関節の動きなどリアルさにこだわり、教室で使用するときの使いやすさやコスト面など、細部に至るまで試行錯誤。実際を想定し、幼児の鳴き声や逃げるような動作なども組み込めるよう研究しています。コロナ禍により病院実習の機会が限られたこともあり、教室でよりリアルなシミュレーションができる装置への需要は高まってきました。2020年にデモ機が完成し、2021年度に授業でのトライアルを経てデータを収集し、実用化に向けて調整していきます。
どんな人でも楽しめる和菓子を。
飲み込みやすい和菓子・嚥下調整食の開発
健康栄養学科・医療福祉学科 言語聴覚専攻・ライフデザイン学科が協働し、飲み込みやすい和菓子の開発に取り組んでいます。これまでも
※本学独自のラーニングコミュニティ
健康を犠牲にせず、強くなるために。
女子アスリートの食事と健康の関係を探る
近年関心が高まる、競技スポーツに取り組む女子アスリートの健康問題。中長距離の陸上選手は低体重の傾向にあり、骨折や摂食障害、痩せによる月経不順などさまざまな健康被害につながっているといわれています。京都光華では、中学から大学までの女子アスリートがそろう総合学園という強みを生かし、女子アスリートが健康を維持しながら競技パフォーマンスを向上させるため、栄養介入を通したアプローチ方法を研究しています。女子アスリートの食事と健康状態を調査し、食事による栄養の過不足が実際に起こっているのかを解明。その状況を改善するための介入を検討していきます。ゆくゆくは、キャンパス内に地域に向けて開放した栄養相談室などを設置し、女性の生涯を通じた健康や地域の人々の健康にも寄与していくことが目標です。健康栄養・スポーツ栄養・看護・助産学といった幅広い研究力を連携させ、本当に求められる科学的根拠を持った栄養指導ができるよう、研究を深めていきます。
京都光華のSDGs
誰一人として取り残さない持続可能な世界の実現を目指すSDGs(Sustainable Development Goals)。Holistic health for allという考え方は、本学の建学の精神とこのSDGsが結びついたものです。全ての人が健康に過ごせる社会の実現を目指して、京都光華はSDGsに取り組みます。
- 女性目線の防災に取り組む
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防災サークルDaisyが中心となり、幼稚園での防災訓練や防災BBQ(ポリ袋クッキング)、起震車体験等を企画・実施しています。
- 教育力を底上げする光華メソッド
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SDGsの達成のため、世界の出来事を自分事として捉える思考力や実践力を育てる光華独自の教育手法「光華メソッド」を開発しています。
- 女性キャリア開発研究の推進
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ジェンダー問題で大きく後れを取る現代の日本。女性がライフコースに沿ったキャリア形成ができるよう社会への提言を続けています。