教員紹介

森井 孝 教授
MORII Takashi
所属
健康栄養学科
学位
工学博士
専門分野
栄養・スポーツ
生物機能化学

研究テーマ

細胞の中でタンパク質や酵素が協力して働く集合体を、試験管の中で再現する研究をしています。この研究によって、何千もの化学反応がうまく進む代謝の仕組みを理解し、その原理を使って新しい方法で効率よく物を作る技術を開発したいと考えています。

専門分野の魅力

細胞内では、さまざまなタンパク質や酵素などが集り、代謝やシグナル伝達を進めることで生命活動を支えています。この仕組みを理解するためには、まず細胞の外でその集合体を人工的に作る必要がありますが、数ナノメートルという非常に小さな酵素を1分子ずつ決まった場所に配置するのは難しいことです。
最近、DNAを使って小さな構造体を作り、その上にタンパク質や酵素を並べることで、細胞の外で集合体を作り出すことができるようになりました。この技術を使うと、これまで謎だった多くの代謝反応がどのように進行するのか、その原理を解明できます。さらに、この原理を応用することで、多段階の化学反応を高効率で進める新しい方法が開発できる可能性があります。

高校生へのメッセージ

生物の基本構造は細胞です。細胞内では数千種類の化学反応が精密に進行し、食べた食物からエネルギーを貯蔵し、細胞の部品を作り出しています。これらの仕組みはどのように働いているのでしょうか?
細胞内の酵素は単独で働くのではなく、いくつかが集まって協力し合っているようです。酵素が集まり協力して複数の化学反応が正確に進む原理がわかれば、生命を支える細胞の活動をさらに深く理解できるだけでなく、病気の原因も明らかにできます。さらに、この原理を応用すれば、現在の化学工場に代わる、環境に優しく効率的な物質生産方法も開発できるかもしれません。
生命を支える分子の不思議で魅力的な世界を、是非一緒に探究してみませんか?

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