2020.09.17

「京都光華女子大学×仁和寺 文化財の保存と観光への活用」の集中実習を行いました。

 京都では、この地で学ぶ大学生が大学の枠を超えて授業を提供し単位を相互に取得できる単位互換制度が「大学コンソーシアム京都」という組織のもとで設けられています。本学では、その制度の中でも京都ならではの特色ある授業「世界遺産PBL(課題発見・解決型学習)科目」に、同じ右京区にある仁和寺※との共同で、「京都光華女子大学×仁和寺 文化財の保存と観光への活用」という科目を提供しています。
※世界遺産「古都京都の文化財」の構成資産の一つ

 授業は5月にオンラインでスタートし、今月から新型コロナウイルスの感染対策を十分行ったうえで、対面での講義と仁和寺での実習を行っています。9月11日と12日には、仁和寺の執行長など各担当者から、仁和寺の成り立ちとこれまでの歩み、近年力を入れている様々な観光政策などの講義を受けました。また、普段、非公開の金堂、五重塔、観音堂の内部なども含め、境内の隅々まで細かく解説をいただきながら見学しました。

 この授業には、本学の各学部の1年から4年までの学生のほか、同志社大、京都産業大、龍谷大など市内の大学に在籍する学生も参加しています。専攻も学年も異なる学生たちがそれぞれの興味や関心から、平安時代初期に創建され、皇室にゆかりの深い筆頭門跡寺院として長い歴史を刻んできた仁和寺の過去、現在、そして未来に思いを深めました。コロナ禍で仁和寺でも観光客が激減しており、拝観料などで文化財の修理や情報発信などの費用を賄っていることから、厳しい運営が続いています。授業では、今後、現地での実習をもとに、ポスト・コロナの時代に、京都はインバウンドも含めた「観光」へどう向き合っていけばよいのかという大きなテーマから、若い世代にどのように寺社に興味を持ってもらうかという身近なテーマまで、世界遺産や文化財の研究を行っている本学の教員の指導の下、グループごとに話し合い、考えをまとめていきます。

 実習の成果は、今年12月、他大学が行っている世界遺産PBL科目との合同の発表会で披露することになっています。