2017.07.19

公開授業「認知症当事者として思うこと、伝えたいこと」を行いました

7月8日、本学健康科学部の学部共通科目「専門職の連携(基礎)」において、公開授業「認知症当事者として思うこと、伝えたいこと」を行いました。

本科目は、健康科学部(医療福祉学科、心理学科、健康栄養学科、看護学科)共通科目として1年生を対象に開講しているもので、医療福祉機関をはじめとした地域の生活者の支援に関わる職種の役割とその連携について理解することを授業テーマとしています。

本公開授業では、認知症を患い、さまざまな支援を受けながら地域生活を続けておられる杉野文篤さんと、妻の由美子さんを講師にお招きし、認知症当事者として支援のあり方についてご講演いただきました。

杉野さんは京都の大学の事務長をしておられた59歳の時に、アルツハイマー型若年性認知症と診断され、現在は病気を公表し、妻由美子さんと二人三脚で認知症当事者として、認知症の人が安心して地域で暮らせる社会をめざし、講演など啓発活動に取り組んでおられます。また、2017年4月に行われました国際アルツハイマー病協会国際会議において、日本の組織委員を務められました。

講演では、発症当時の不安、家族として接し方、診断の難しさなどを振り返り、次第に仲間との出会い、その存在が励みになり病気の公表・講演や啓発活動のことなどを中心に、認知症の支援のあり方についてお話いただきました。

「当事者というのは本人だけではなく家族も一緒」
との想いから、二人三脚で当事者の想いを発信しつづけながら、認知症当事者の居場所作りを目的とした「卓球クラブ」を創設するなど、精力的に活動を行っているお二人からの重みのある言葉一つ一つが学生たちの心にしっかりと届いているように見受けられました。

最後に講師のお二人から学生たちに向けて、「これからの社会を担う皆さんに期待しています」とのメッセージが送られ、本公開授業は締めくくられました。