2019.12.19

第5回宗教講座を開講いたしました

20191213日(金)の第5回宗教講座では高田正城先生をお招きし、ご講演いただきました。先生は、昨年度まで京都光華高等学校・中学校で宗教科と国語科の教員をしておられ、現在でも非常勤の立場で宗教科の授業を担当していただいています。今回の講演題目は「第二の誕生」です。

まず、先生は、お釈迦様と出会い「誰かのためにあかりを灯せるような人になろう」と決意したナンダーのお話をされ、その上で人間は一生の間に二回誕生すると示されました。一回目はお母さんのお腹から生まれる「生き物としての誕生」です。では、二回目の誕生とはどのような意味なのでしょうか。先生は、ナンダーとお釈迦様との出会いを始めとする六人の出会いから考え、お話しくださいました。

わたしたちは、思い通りにならない世界に出遭ったとき、自分の価値を見出せず自信を喪失し、苦しみや悲しみに飲み込まれてしまいます。しかし、苦しいことや悲しいことの中にこそ、ほんとうに大切なもの、ほんとうの人になるための種があるのだと先生は示されました。

ほんとうの人になるとは、自分の力だけで生きているのではなく生かされているのだということを知り、誰かのために自分も生きていこうと誓うことだと言えるでしょう。このような人間になるための種は、実は我々の中にあるのです。人は、人との出会いを通して、大きなかけがえのないいのちに気づき、第二の誕生を果たしほんとうの人にとして生きていくのだとお話くださいました。

最後に、単に将来のよりよい進路や経済的な幸福を目指すのではなく、与えられた命を「ほんとうの人となる」ために生かしていく、これを大切にしてほしいと先生はおっしゃいました。

生かされて生きる世界と出逢い、自分を省み、他者に対して「いのちのともしび」を贈れるような、ほんとうの人になる第二の誕生を果たすことが、光華女子学園で学ぶ者に与えられた使命だと先生は熱く語られました。

先生のご講演から、光華で学んでいくことの意味、校訓「真実心」に込められた意味を再確認させていただきました。高田先生、貴重なお話、本当にありがとうございました。

 宗教部員