2013年度

【第3回】活動報告

2013年6月12日

《活動内容》
Mac やiPhone, iPad でおなじみのアップル社の創始者,故スティーブ・ジョブス氏の名言”Stay hungry, Stay foolish”から仏教を考える。

 

《担当教職員より》

今回は浄土真宗の僧侶である事務局長阿部恵木さんのお話をうかがいしました。
よく知られているように、故スティーブ・ジョブス氏が仏教、特に禅宗に強い関心をもっておられたようです。日本の中で仏教というと、”葬式仏教”だとか”堅苦しい”だとかどちらかというとネガティブなイメージが年々強まっているようですし、とくに若い人にとっては古めかしい過去の時代のものであり、自分には関係がないものというくらいのものでしょう。そうであるのに、なぜアメリカ人、それもアメリカ文化・世界の文化の最先端を走っているようなジョブス氏が??と思われる方もおられるかもしれません。
しかし、意外に欧米、特にアメリカでは、禅仏教やチベット仏教、東南アジアの仏教に関心を寄せる人も少なくなく、常にお寺に行ったりお経をあげだりするわけではないけれど、枕元には仏教の本があり、寝る前に仏教の本を読んで心を静めて眠りにつくという人を形容する”ナイトスタンド・ブディズム”という言葉もあるくらいです。

仏教の何が彼らを引きつけるのでしょうか。
この問いについて考えることは、現代の日本社会の中で仏教が果たすべき役割を考えることにもつながるかもしれません。阿部さんはジョブス氏の言葉を次のように説明されます。
Stay hungryとは挑戦する心を持つことの大切さを語っており、ともすれば現状維持、安易な方向に流されがちな自分に対する叱咤激励であり、Stay foolishとは周囲の意見や世の中の常識・慣例に捉われ、利口さを演じてしまう自分、アイデンティティを見失いがちな自分、また常に自分は正しいと我を張っている自分に気づかされる言葉ではないかと。
このように解説された上で、浄土宗の祖法然上人の言葉や、真宗の教えを確かめ、Stay hungry, Stay foolishというジョブズ氏のメッセージの中に、「今がこれでいいか問い続けなさい、愚かな身である自分に気づきなさいよ」という仏教が語り続けてきた問いかけと同じ問いかけと励ましがあることを確かめて、会を終えました。