2013年度 平等院へ行こう!聖跡巡拝2013

【第4回】活動報告

2013年7月10日

《活動内容》
囲碁体験会の開催
囲碁インストラクターの今村康子氏を迎え、学生と教員(担当者以外に加治先生・相馬先生も乱入)の囲碁体験会を開催。

 

《担当教職員より》
なぜ仏教で囲碁?と言われそうですが、遣唐使の時代に日本に伝わった囲碁は平安時代には貴族のたしなみとされ、室町時代には公家階級のみならず僧侶階級にもたしなまれたと言われています。また、織田信長に「名人」と称賛され、その後の家元本因坊家の始祖となる本因坊算砂はお坊さんでした。
日本の仏教史の中では意外に縁が深い囲碁、しかし普段まった縁がない囲碁をインストラクターを招いて体験しよう!というのが今回の趣旨でした。

集まった学生はみな初心者、学長も私(小澤)も初心者でしたが、基本ルールを教わっていきなり対戦。
ルールを教わってすぐに対戦できるくらい、囲碁ってルールは簡単なんですね~
最終的にすでに2局くらい打っていた学長と、まったくはじめての学生との対戦で、学長がこてんぱんにやっつけられて終わりました(笑)
初心者のわたしには分かりませんが、勝った学生の攻め方は、対局を観戦していた囲碁経験者の加治先生、相馬先生から「ついに光華に囲碁部誕生か…」という声がもれるほど、すばらしく攻撃的なものだったようです。
学期末ということもあり、その日の5限目に試験を行った授業があったようで、参加したかったのに~という声も数人の学生からあがりました。
インストラクターのお姉さん、後期も来てくれると言ってますので、ぜひその時参加してください。

【第3回】活動報告

2013年6月12日

《活動内容》
Mac やiPhone, iPad でおなじみのアップル社の創始者,故スティーブ・ジョブス氏の名言”Stay hungry, Stay foolish”から仏教を考える。

 

《担当教職員より》

今回は浄土真宗の僧侶である事務局長阿部恵木さんのお話をうかがいしました。
よく知られているように、故スティーブ・ジョブス氏が仏教、特に禅宗に強い関心をもっておられたようです。日本の中で仏教というと、”葬式仏教”だとか”堅苦しい”だとかどちらかというとネガティブなイメージが年々強まっているようですし、とくに若い人にとっては古めかしい過去の時代のものであり、自分には関係がないものというくらいのものでしょう。そうであるのに、なぜアメリカ人、それもアメリカ文化・世界の文化の最先端を走っているようなジョブス氏が??と思われる方もおられるかもしれません。
しかし、意外に欧米、特にアメリカでは、禅仏教やチベット仏教、東南アジアの仏教に関心を寄せる人も少なくなく、常にお寺に行ったりお経をあげだりするわけではないけれど、枕元には仏教の本があり、寝る前に仏教の本を読んで心を静めて眠りにつくという人を形容する”ナイトスタンド・ブディズム”という言葉もあるくらいです。

仏教の何が彼らを引きつけるのでしょうか。
この問いについて考えることは、現代の日本社会の中で仏教が果たすべき役割を考えることにもつながるかもしれません。阿部さんはジョブス氏の言葉を次のように説明されます。
Stay hungryとは挑戦する心を持つことの大切さを語っており、ともすれば現状維持、安易な方向に流されがちな自分に対する叱咤激励であり、Stay foolishとは周囲の意見や世の中の常識・慣例に捉われ、利口さを演じてしまう自分、アイデンティティを見失いがちな自分、また常に自分は正しいと我を張っている自分に気づかされる言葉ではないかと。
このように解説された上で、浄土宗の祖法然上人の言葉や、真宗の教えを確かめ、Stay hungry, Stay foolishというジョブズ氏のメッセージの中に、「今がこれでいいか問い続けなさい、愚かな身である自分に気づきなさいよ」という仏教が語り続けてきた問いかけと同じ問いかけと励ましがあることを確かめて、会を終えました。

【第2回】活動報告

2013年5月22日

《活動内容》
太子堂にてお勤め
・嘆仏偈
・嘆仏偈の簡単な解説
いのちの尊さと自分自身への問いかけ
 金子みすずの「私と小鳥と鈴と」、「星とたんぽぽ」、相田みつをの「自分の番」の詩と、 
 さらに竹内まりやの「いのちの歌」の歌詞を資料として、そこに込められた思い、思想を考察。

 

《担当教職員より》
今回は学生サポートセンターの真東さんを講師としてお迎えしました。真東さんらしい、優しく包み込むような解説でした。
金子みすずさんの生涯、仏教との接点、そして詩に込められた、個々の生を平等に生きていくこと、見えないものにも支えられて生きていること。また、相田みつをさんの詩から、今ここにあるいのちが、無量の時間的つながりや周囲の関係の中ではじめて成り立っていること、自分はその一つの可能性を生きていること。
このようなお話をしてくださって、その後、竹内まりやの歌詞の解説に移りました。真東さんが紹介してくださった「いのちの歌」は、2008~2009年に放映されたNHK朝の連続テレビ小説「だんだん」の劇中歌として、竹内まりやが”Miyabi”名義で作詞された曲だそうです。
先に紹介してくださった金子みすずや相田みつをの詩に謳われていた「いのちの尊さ」が、同じようにこの「いのちの歌」でも綴られていることを指摘してくださって、さらに、冒頭の「生きてゆくことの意味 問いかける」という一節から、真宗が自分自身への問いかけを大事にしていること、前半にある「めぐり会えた奇跡」という一節から、親鸞の法然との出会い、その出会いを通して親鸞は、真の自分つまり罪悪深重という自分に出会ったのだということ、という2点に結び付けてお話を締めくくってくださいました。

 

 

【第1回】活動報告

2013年5月8日

《活動内容》
太子堂にてお勤め
・嘆仏偈
・嘆仏偈の簡単な解説
親鸞略伝
・4つの時期に分割しての解説
・移動した地方
・親鸞の生涯で一番大事な出来事は法然との出会い
 -「煩悩を断じる」から「煩悩があるままでの救済」
 -すべての人が救われる
 -信仰:水面に映る月のように心が清らかになること
 -罪悪深重という自覚,何によって自分を問うか


《担当教職員より》
初回ということで学長より親鸞聖人の略伝をお話いただきました。「自己を問う」ということが今回の学Boooのキーワードになりそうな予感です。