2015年6月28日
これまでの活動では鹿による農業や森林の被害を視察することが多かったのですが、メンバーから生きた鹿を見たことがないという意見が出され、5~6月は子鹿が産まれる時期ということもあり、子鹿を中心に奈良公園の鹿を見学に行きました。
この時期だけ母鹿と小鹿は鹿苑の中に保護されており、駆けまわる子鹿や母乳を飲んでいる赤ちゃん鹿など、小さくて可愛らしい子鹿をたくさん見ることができました。少し大きくなると奈良公園に戻されるとのことでした。
職員さんのお話によると、鹿苑には、母子鹿のほかに、交通事故にあって足を失くし公園に戻って生活できない鹿や、性格が荒々しくて人間のいる公園に出せなくて一生狭い鹿苑で生活する鹿がいるそうで、奈良公園の鹿も幸せな鹿ばかりではないことを初めて知りました。
公園にいる鹿はおとなしそうにみえますが、鹿せんべいを持った途端に、たくさんの鹿が近寄ってきて、大きな鹿だと圧倒されてしまいます。小さい子どもにとっては自分より大きな動物と接し、怖くて泣いている子どももあちこちにいました。
現在日本中のあちこちで害獣として駆除されている野生の鹿と、神様のお使いとして保護され、愛護協会まである奈良公園の鹿。どちらも人間が作ったしくみのなかで神聖な動物になったり害獣になったり。この状況をどのように理解すればいいのか、複雑な思いでいっぱいです。
そして午後からは、春日大社を参拝しました。今年は二十年に一度の式年遷宮にあたり本殿の特別公開がされており見学することができました。