2025年3月11日
今回は日本のきもの文化の歴史について学び、前回に引き続き王朝装束の中から女房装束(唐衣裳装束=十二単)を見学しました。[着装の仕方は前月ブログ参照]
まず、講師から古代から現代までの男性、女性の衣装について、どのような背景で決められ
制度化され、さらに発展、変遷していったかの概要が説明され、その中で人々が衣装に対してどのような意義(例えば儀礼や神事などの晴れの装束による敬いの心、また決まりごとの中での日常服=褻けの装束の個性の出し方、楽しみ方)を見出し、また工夫していったのかを学びました。そして、日本では、基本となる姿勢として日本の自然を大切にして生活に取り入れてきたこと、このことが今も和の文化が世界から称賛され憧れられる大きな要因であることを学びました。特に、平安時代の国風文化で発展した王朝装束は、自然の色、意匠を表現した美術品とも言える優雅なきものです。
続いて、実際に十二単を構成する各装束を広げ、資料に沿った細かな説明とともに着付け方を見学し、最後にメンバーが洋服の上からではありますが、上着、唐衣、裳を着装させてもらいました。
全体の何分の一の枚数であるのにかなり重く感じる装束に、昔の女性は大変だったろうとの感想も寄せられましたが、貴重な装束に直に触れる機会を通して、歴史・文化・服飾美の知識習得とともに古来より日本人が大切にしてきた「美しさ」への感性を磨いていってほしいと思います。
なお、日本の伝統美・和のテイスト研究会では、これまでに学生自身が実際に何度も十二単の着付けの体得をし、地域の皆さまにも披露しております。詳しくは、過去のプログ(2015(平成27)年11月からの記事)をご覧ください。