2024年度

お香体験

2025年3月11日

今回は特別講師として、本学の卒業生であり京都のお香の老舗「天香堂」ご店主の奥裕美先生にお越しいただき、「お香」とは何か、古代に外国から伝来したお香の原材料を日本人がどのように生活の中に取り入れていったか、さらに日本人の「香り」への繊細な思いと「道」としての精神性が作り出した「香道」について、お話しを伺いました。

お香は「においを嗅ぐ」のではなく、五感で感じる、丁寧にあじわうというような意味から、「香を聞く」、「聞香」ということからも、とても繊細で精神性の高いものと感じました。

当日は、自然の中で何千年もかけて芳香を醸し出すお香になった貴重な「お香の原木」や、様々な種類のお香をお持ちいただき、実際に香り(薫り)を聞く体験をしました。

これらを学んだあと、自分でいくつかのお香を入れ合わせて「自分好みのお香袋」を作る体験を指導いただきました。

お香の組み合わせ方も、どのお香を主にして入れるか、合わせるお香は何にするかによって一応の方向性あるようですが、その香りを優しい、爽やか、柔らか、スッキリなど、どう感じるかはその人の感性によって異なるようで、まさに「自分好み」の聞香を楽しめる作品になりました。

お香が、日本の四季と日本人の研ぎ澄まされた感性が育んだ伝統文化であることを知るとともに、原産地ではこれまでの香木はもう枯渇するという危機の中、日本の伝統文化の伝承と併せて、自然からの恩恵を地球規模で後世に受け継いでいくことの大切さも学べました。