2022年度 コミュニケーション支援プロジェクト

3/28 すももクラブ訪問

2023年3月31日

朝は冷えましたが、日中はぽかぽか陽気、桜も満開の中、地域活動支援センター すももクラブを訪問しました。すももクラブは、「「すももクラブ」は2005年に、失語症の方の任意の交流の場として始まりました。それからの10年というものは法律がたびたび変わり、支援費制度の時には身体障害者デイサービス、そして自立支援法の時には地域活動支援センターと時代に応じて変身をしながら、一貫して失語症の方の社会参加を目指して地道に活動を続けてきました。」とホームページにあるように、言語聴覚士の方々が失語症の当事者さんの交流の場を確保するため、頑張って続けてこられた場です。

 コロナで訪問が途絶えていましたが、久しぶりに訪問させていただき、学生と利用者さんの交流もできて、楽しい時間となりました。

以下、参加学生の感想です。

【W.K.】

大阪府十三にあるすももクラブさんに言語聴覚専攻の学生2名と先生2名で訪問させていただきました。

私は今回初めて参加させていただいたのでとても緊張しました。

すももクラブさんでは新聞記事を用いてコミュニケーションを行っていました。皆さん興味を持って聞かれているのを見て私は社会的な話題もコミュニケーションに繋がるため、ただ単に言語聴覚士になるために必要な知識を学ぶのだけではなく、ニュースや新聞に目を通すことも重要であるなと思いました。

自己紹介では名前、出身地、言語聴覚士を目指そうと思ったきっかけなどを言いました。言葉では伝わりにくいこともあるのでホワイトボードに書きながらお話をしました。お話するときにあまり文章を長くしすぎないようにすることを心掛けました。

学生から利用者さんへの質問で皆さんの趣味をお聞きしました。

墨画やビール手芸、油絵など様々で実際に作品を見させていただいたのですが、どの作品もとても上手に書かれていました。

失語症の方は右半身麻痺になる場合もあります。利用者さんの中にも右半身麻痺の方がおられたのですが、左手で書いたとは思えないほど上手でした。

利用者さんのコミュニケーション方法は十人十色でした。電子メモを使用している方や紙に絵をかいて情報を伝える方、言葉で伝える方もおられました。このようなことから私は一人一人にあったコミュニケーションのとり方が異なるため、一人一人に目を向けることが大切であると感じました。

【W.Y.】

今回はすももクラブさんに訪問させてもらいました。初めて行くところでしたのでとても緊張していたのですが、みなさんとても優しく明るかったのでとても楽しかったです。皆さんと関わっていく中で失語症のことだけではなくたくさんのことを知れました。

芸術などとても多彩な方々で作品もすごく上手で綺麗ですごいなと驚きました。

また訪問したいなと思いました。

3/14 絵本の読み合わせ・ゲーム@「加音」

2023年3月15日

今回は学生2名と教員2名人の計4名訪問させていただきました。

水谷八千代先生(小児)がご一緒してくださいました。

絵本は、2冊使いました。1冊は「どんなかお、こんなかお」で、前回から継続して、表情の理解を促すものです。それに加えて、色々な表情の組み合わせを用いた神経衰弱も行いました。「えっへん」「くやしい」などは、ゲームの中でその状況が起きると何度も繰り返してジェスチャーをしました。「楽しい」以外にも分かる言葉になれば嬉しいのですが。大変盛り上がっていました。

【学生の感想】

今回は、言語聴覚専攻の学生2名と言語聴覚専攻の先生2名で訪問しました。

今回初めて訪問される先生や、利用者さんがおられたため訪問してまず初めに自己紹介を行いました。

次に『どんなかお?こんなかお!』の読み聞かせを行いました。

この絵本は前回訪問時にも使用したのですが、前回に比べると今回は皆さんが積極的に絵本に合わせた表情や身振り、手振りをしてくれました。

『ゴリラさんは』では、ゴリラさんがバナナを7本持っていたのですが、他の動物にあげることで元の数から減っていくのですが、減っていくごとに残りの本数を考えたりしました。ただ単に読むだけではなく1冊の絵本から様々な使い方ができることを知りました。

次に神経衰弱を行いました。前回に比べて枚数も多くすべて揃うまで時間がかかりました。順番が回るのが遅く途中で集中力が落ちてしまった利用者さんもおられました。

利用者さんと過ごす1時間がもっと良いものにするために私たちも考えていこうと思いました。W.K.

2/21 絵本の読み合わせ・ゲーム@「加音」

2023年2月22日

今回は学生2人と先生1人の計3人で訪問させていただきました。

今回は、表現力向上を目指したプログラムを考えました。

絵本の読み合わせでは、『どんなかお?こんなかお!』を基に実際に生活の中で嬉しいことや悲しいことなどをお伺いしました。

「嬉しい時はどんな時ですか?」と聞くとすぐに思いつく方は少なかったのですが、趣味や好きなことを伺い、それらを行う時はどのような気持ちになりますか?と聞くと「嬉しい気持ちになります。」と答えてくださりました。

このことから私は、話をする時に抽象的に話をするのではなく、具体的かつ想像しやすい言葉で伝えることが大切であると考えました。

次に『できるかな?~あたまからつまさきまで~』の読み合わせを行いました。

この絵本はよく加音訪問で使用しているのですが、毎回皆さんとても楽しそうに絵本の真似をしてくださいました。

最後に学生が手作りした神経衰弱を行いました。神経衰弱の得意な人もいれば、不得意な人もいましたが、皆さんとても楽しんでくださいました。

今回の訪問を通して私は、具体的にまた、想像しやすい言葉で伝える大切さを学びました。上記に記載したように、「嬉しい時はどんな時ですか?」と聞くとすぐに思いつく方は少なかったのですが、趣味や好きなことを伺い、それらを行う時はどのような気持ちになりますか?と聞くと「嬉しい気持ちになります。」と答えてくださったことから、言い方を一つ変えるだけで、伝わりやすくなったり、想像しやすくなりました。

まだまだ改善すべき点はたくさんありますが、皆さんが楽しんでいただけるプログラムを作り、今後の活動に取り組みたいと思います。(W.K.)

12/17(土)「失語症サロン(クリスマス会)」開催☆

2022年12月22日

失語症サロン(クリスマス会)を行いました!

 当日は真冬並みの寒さで、当事者の方が来られるかどうか心配しましたが、6名の当事者の方と1名の支援者、6名の学生が参加しました。

 初めの自己紹介と最近の出来事を話すコーナーでは、様々なエピソードが語られ、参加者の笑い声が響きました。

 学生が考えたゲームも大いに盛り上がり、なぞなぞでは答が早く分かった参加者がヒントを出しながら、皆が分かるまで続きました。言葉遊びのようなところもあって、学生もたじたじになる場面もありました。

 1人500円程度の品物を用意して、クリスマスプレゼント交換会を行いました。生まれ月の早い人から好きなものを取っていきます。何が入っているのか、開けるのが楽しみな交換会でした。

 最後は「きよしこの夜」を歌って終わりました。以下は、学生から寄せられた感想です。

「楽しくお話したりゲームしたりと明るい空間で楽しむことができ、皆さんの笑顔がたくさん溢れていて素敵な時間になりました。」(Y.H)

「ゲームを通して、患者さんのお話をたくさん聞き、コミュニケーションをとることができて、すごく充実した時間でした。みなさんの楽しそうにしている姿を見ることができて、学生側も元気がもらえたのでよかったです。」(M.A)

 当事者の方々が会話を楽しんでくださったこと、学生たちが直接当事者の方とお話しさせていただくことで失語症への理解が深まったことなど、楽しい中にも学びの多い会となりました。

みなさま、今年もブログを読んでいただき、ありがとうございます。

どうぞ良いお年をお迎えください。

12/14 絵本の読み合わせ・合唱・ゲーム@「加音」

2022年12月19日

<行った事>

①自己紹介

(名前、好きな食べ物、得意のこと)

②絵本読み

(1:『どんなかお?こんなかお!』ニコラスミー

 2:『こねてのばして』ヨシタケシンスケ)

③合唱

(1:赤鼻のトナカイ 2:あわてんぼうのサンタクロース)

④連想ゲーム

(お題:動物)

<報告>

今回私は2回目の加音訪問でした。前回に続き、皆さんとても楽しそうにしてくださってとても嬉しかったです。絵本の『どんなかお?こんなかお!』では嬉しい顔や困った顔、怒った顔などの様々な気持ちの表情が各ページに書かれており、その顔の真似をしたりどのような状況の時にそのような気持ちになるのかを訪ねました。顔だけの表現だけではなく身振りを使い表現されていました(悲しい表情の時に手を目に持っていき泣いているようにするなど)。2冊目の『こねてのばして』では全身を使って絵本に書かれているポーズをしました。『どんなかお?こんなかお!』よりも皆さん積極的に動かれていました。合唱では予定では赤鼻のトナカイのみ歌う予定で歌詞カードを作っていったのが赤鼻のトナカイのみだったのですが予想以上に皆さんが歌ってくださり、あわてんぼうのサンタクロースも歌うことになりました。手拍子をしてくださる方や身振りをしながら歌ってくださる方もおられました。最後の連想ゲームでは動物から連想される単語を5分の間に考えました。動物からネズミやイヌ、ネコ、イルカ。ネズミからミッキーマウス、ミッキーマウスからディズニーなど5分の間に約20個ほど出ました。

今回の訪問は先輩方がおられず1年のみで訪問をしたのですが、臨機応変に行動することと言葉かけの難しさを実感しました。『どんなかお?こんなかお!』の時に積極的に真似をしてくださる方もいましたが、真似をすることに消極的な方もいました。前回訪問の時に積極的な方と消極的な方で回答する回数に偏りが出ていると感じ、今回は一斉に真似をするなどといった偏りが出ないように改善しました。どのような時にこの表情になるかと伺った時に皆さんの口数が減っていて、どのような言葉を掛けたらヒントになるのだろうかと考えました。よいヒントになるような言葉かけができずに時間が過ぎてしまい、言葉をかけることの難しさを感じました。

前回の反省を改善するとまた新たな課題が出てきてしまい、もどかしく感じました。しかし、皆さんが楽しんで絵本を聞いてくださったり、歌ってくださったので嬉しかったです。また次回も楽しみにしていますという言葉をいただいたときはとてもうれしく、もっと良い時間にしたいなとも思いました。

                               言語聴覚専攻1年 W.K.